宮城県 陸上養殖システム導入支援事業(二次募集)
宮城県内で閉鎖循環式の陸上養殖に参入する事業者が、飼育水槽・循環ポンプ・生物ろ過槽といったシステム機器の導入費用の2分の1(1事業者あたり上限1億円)を受けられます。二次募集は2026年9月4日に始まりました。ただし締切の記載が県のウェブページと県のチラシで20日ずれています。下でその中身を示します。
- 誰が使えるか
- 閉鎖循環式陸上養殖システムを導入して陸上養殖に参入しようとする事業者で、県が事業実施計画を認定したもの(半循環式も対象)
- いくら
- 1事業者あたり上限1億円/補助率2分の1以内
- いつまで
- 2026年9月4日〜。終了日は県ウェブページが2026年11月26日、県チラシが2026年11月6日と食い違っています(詳細は下記)
- 実施機関
- 宮城県 水産林政部 水産業基盤整備課(養殖振興班)
誰が使えるかWho
対象は「閉鎖循環式陸上養殖システムを導入し、陸上養殖に参入しようとする事業者であって、県が事業計画を認定したもの」です。ここでいう閉鎖循環式とは、飼育水をろ過システムで浄化しながら閉鎖系で循環利用する方法を指し、種苗生産も含みます。完全閉鎖循環式に限らず、一部注水を行う半循環式も対象です。
実施要領は事業者を三つに分け、番号の小さい順に優先して認定すると定めています。複数の申請があった場合、この順番が効きます。
- 県内に住所を有する漁業協同組合等 ―― 水産業協同組合法に定める漁業協同組合、漁業生産組合、水産加工業協同組合および同連合会、中小企業等協同組合法に定める事業協同組合(水産業の振興を主たる目的とするものに限る)。または中小企業基本法第2条第1項第1号に規定する者で、かつ日本標準産業分類の「海面漁業」「海面養殖業」「内水面漁業」「内水面養殖業」に属する事業者
- それ以外の県内事業者 ―― 県内に事業所を置く法人、その他の団体、事業を行う個人
- 県外に住所を有する事業者 ―― 県外に事業所を置く法人、その他の団体、事業を行う個人
県外事業者も申請自体はできますが、優先順位は最後になります。
さらに、事業実施計画が次の五つをすべて満たし、審査会の審査を経て知事の認定を受けることが必要です。
- 生産販売計画、収支・資金繰り計画および機器の整備計画が適切であること
- 導入予定地区の関連漁業者と調和が図られていること
- 既存養殖業者の市場と重複しない、または重複しても単価を著しく低下させるものではないこと
- 種苗(養殖)供給や原料確保等で、県内の漁業者・水産加工業者等にメリットがあること
- 宮城県の水産業の発展に貢献するものであること
また、交付要綱は次に該当する者は交付申請ができないと定めています。暴力団排除条例に規定する暴力団または暴力団員等、県税に滞納や未納がある者、国内の法令や公序良俗に反する業務を行っている者および反社会勢力またはこれに類似する企業・団体、その他知事が補助に適当でないと認める者です。
いくらもらえるかHow much
補助率は補助対象経費の2分の1以内、補助限度額は1事業者あたり1億円です。千円未満の端数は切り捨てられます。
計算例をひとつ。飼育水槽・循環ポンプ・泡沫分離装置・生物ろ過槽・殺菌装置を一式そろえて8,000万円かかった場合、2分の1にあたる4,000万円が補助されます。上限の1億円に達するのは、補助対象経費が2億円を超えたときです。
下限額の定めは、交付要綱・実施要領のいずれにも見当たりませんでした。ただし上限が1億円という水準からも分かるとおり、この制度は設備一式を組む規模の投資を想定しています。
なお、本補助金以外の国および県の補助金等の対象となった機器等は、補助対象経費から除かれます。
何に使えるかEligible costs
- (1)閉鎖循環式陸上養殖システムを構成する機器の導入費 ―― 飼育水槽、循環ポンプ、泡沫分離装置、生物ろ過槽・ろ材、紫外線等による殺菌装置、脱窒素装置、温度調整装置、その他関連装置
- (2)システム運営費の削減につながる機器の導入費 ―― ソーラーパネル、省エネ機器(新素材の水槽、省力ポンプなど)、省力化機器(自動給餌機、魚体測定装置など)。ただし(1)と併せて導入する場合に限ります。(2)だけを単独で申請することはできません
対象外も実施要領に明記されています。建物および用地の賃借・取得の経費、養殖生産に直接要する種苗代や餌代等の経費、人件費、電気代等の運転経費です。つまり、この補助金で建屋は建てられませんし、動かし始めてからのランニングコストも見てもらえません。
何が要るかDocuments
手続きは二段構えです。先に事業実施計画の認定を受け、そのあとで補助金の交付を申請します。
まず認定の申請(実施要領 様式第1号)を知事あてに提出します。これを受けて県が審査会に審査を依頼し、事業目的・内容の実現可能性と妥当性、導入機器の妥当性、売上および収支計画の妥当性、資金計画の妥当性、事業実施体制の妥当性、県水産業への波及効果などが審査されます。認定されると事業実施計画認定書が交付されます。
認定を受けたあと、交付申請書(要綱 様式第1号)に次を添えて提出します。
- 事業実施計画書(別紙1)
- 事業実施計画認定書(要領第7条によるもの)
- 収支予算書(別紙2)
- 実施設計書(別紙3)
- 定款の写し(法人の場合)/住民票抄本(個人の場合)
- 暴力団排除に関する誓約書(別紙4)
- 納税証明書(すべての県税に係るもの)
- 民間の保険等への加入に関する誓約書(別紙5)
- その他知事が必要と認める書類
太字にした三つが、手元にないところから用意する書類です。事業実施計画認定書は審査会を経て出るものなので、ここに時間がかかります。納税証明書は役所で取り寄せるもの。保険加入の誓約書は、あとで述べる保険加入義務に対応しています。県は「本事業の活用を希望する場合は、申請期間中に必ず窓口へ連絡願います」と明記しています。いきなり書類を送る建て付けではありません。
事業完了後の実績報告には、事業実績報告書(別紙1)、収支精算書(別紙2)、出来高設計書(別紙3)、財産管理台帳(別紙6)、支払いの事実が確認できる書類および領収書の写し、民間の保険等への加入申込書または加入証書の写しを添えます。提出期限は、補助事業完了の日から1か月を経過した日か、事業実施年度の3月5日のいずれか早い日です。
気をつけることWatch out
- 締切の記載が、県の二つの一次資料で食い違っています。県のウェブページ(掲載日2026年9月4日)は申請期間を「令和8年9月4日(金曜日)から令和8年11月26日(金曜日)まで」と書き、同じページからダウンロードできる県作成のチラシ(令和8年9月)は「令和8年9月4日(金)~令和8年11月6日(金)まで」と書いています。20日の差があります。なお2026年11月26日は木曜日で、ウェブページの「(金曜日)」という表記と一致しません。11月6日は金曜日です。当サイトはどちらが正しいかを判断できる立場にないため、両方をそのまま示します。早い側の11月6日を前提に動き、実際の締切は必ず養殖振興班(022-211-2943)へ確認してください。
- 認定件数は原則1年度につき1件です。実施要領は「1年度につき1件とする。ただし、予算の範囲内及び認定事業者の実施事業に係る所要見込額により認定件数を増やすことがある」と定めています。あわせて「審査基準に満たない事業者のみの場合は、認定件数が0となることもある」とも書かれています。応募が多ければ通らない制度です
- 交付決定前の着手は、対象外です。実施要領第9条は「事業の着手(機器等の入札・発注を含む。)は、当該事業に係る補助金の交付決定後に行うものとし、交付決定前に発注等を行った経費については、補助金の交付対象としない」と定めています。入札・発注の段階から縛りがかかる点に注意が要ります
- 保険への加入が義務です。交付要綱第18条により、処分制限期間の間、民間の建物共済や損害補償保険等、動産総合保険等(いずれも天災等に対する補償が必須)に加入する必要があります。実績報告時に加入証書の写しを出します。ランニングコストとして見込んでおく費用です
- 5年間の報告義務があります。認定を受けた事業実施主体は、事業完了の翌年度から5年間、毎年度の事業実施状況を翌年5月末日までに知事へ報告します。あわせて事業完了後も県からの現場視察を受け入れる協力が求められます
- 取得価格50万円以上の機械・器具は、処分が制限されます。制限期間は減価償却資産の耐用年数に相当する期間です。この期間内に処分・移転・更新・増改築等を行うには、事前に知事の承認が必要になります
- 後払いが原則です。補助金は額の確定後に交付されます。事業の遂行上必要と知事が認めるときに限り出来高に応じた概算払いができますが、原則としては自社で立て替える形になります
- 事業主体名・事業地・取組内容は公表されます。交付要綱第3条は「交付を申請する事業者は、事業主体の名称、事業地及び取組内容が公表可能であることに同意したとみなす」と定めています
- 書類は5年間保管します。補助金に関する書類を会計帳簿とともに、交付決定日の属する会計年度の翌年度から起算して5年間保管し、知事の要求があればいつでも閲覧に供せるようにする義務があります
- 遂行状況報告書を、交付決定のあった年度の1月31日現在で作成し、翌月末までに提出します。また機械・器具等の導入契約を締結したときは契約結果報告書の提出が必要です
申請についてApplying
申請書類の作成代行は、行政書士の業務です。当サイトは制度の情報をまとめたもので、代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/suikisei/rikujoyoshoku/r8-2shiryoukoutou.html
https://www.pref.miyagi.jp/documents/66738/01_youkou.pdf (交付要綱)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/66738/03_youryou.pdf (実施要領)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/66738/12_chirashi.pdf (チラシ)
確認日:2026-09-10
※本記事は上記の一次資料をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の資料をご確認ください。とくに募集期間の終了日は資料間で記載が異なるため、実施機関への確認をお願いします。制度の内容は変更されることがあります。