東北の補助金・助成金が丸わかり

令和8年度 食品製造業経営力強化サポート事業(宮城県・2次募集)

宮城県内に事業所を持つ食料品製造業者等が、経営力強化アドバイザーの派遣を無料で5回程度受け、その助言に基づいて動いた費用を上限75万円・補助率2分の1で補助してもらえる制度です。2次募集の期間は2026年7月3日から9月30日まで。ただし支援枠は7者程度で、埋まれば期間内でも受付が終わります。

誰が使えるか
宮城県内に事業所を有する食料品製造業者等(食料品製造業、飲料製造業など。たばこ、飼料・有機質肥料製造業は除く)。食料品製造業者に製造を委託する者も含む
いくら
上限750千円(75万円)・下限なし/補助率 2分の1以内。専門家の派遣費用は無料
いつまで
2026年7月3日(金曜日)〜 2026年9月30日(水曜日)。募集チラシには「募集枠が埋まった場合は募集期間内でも受付を終了」とあります
実施機関
宮城県 農政部 食産業振興課 食ビジネス支援班

この制度は、いきなり補助金だけをもらう仕組みではありません。まず県に専門家の派遣を申し込み、ヒアリングを受けて支援対象に選ばれ、専門家が作る「支援カルテ」に沿って動く。その動きに要した費用の一部が、あとから補助されます。順番が逆になると、経費が対象から外れます。

もう一つ、性格をよく表しているのが対象経費の中身です。機械や設備といったハードは買えません。パッケージのデザイン開発、ECサイトの改良、試作品の原材料費、商談会への出展、市場調査。要するに「作ったものを、どう売るか」に寄った制度です。

誰が使えるかWho

交付要綱と実施要領は、対象を「県内に事業所を有する食料品製造業者等」と定義し、次の三つを挙げています。

  1. 日本標準産業分類に規定する食料品製造業および飲料・たばこ・飼料製造業(たばこ、飼料・有機質肥料製造業を除く)に係る事業者
  2. 食料品製造業者に製造を委託する者
  3. 上記のほか、宮城県の食産業の振興を図る事業実施主体として知事が適当と認めた者

二つめが入っているのは、この制度を探す人にとって大きな意味があります。自社に工場がなくても、県内の食品メーカーに製造を委託して自社商品を売っている事業者は、対象になり得ます。

「経営状況が悪化していること」の書き方が、資料によって違う

ここは注意して読む必要があります。宮城県のホームページは、対象事業者を「経営状況に関して影響を受けている食料品製造業者等」と書いています。ところが専門家派遣事業実施要領の第5では、支援対象の要件をこう定めています。

ホームページの「影響を受けている」と、要領の「悪化していることを客観的に証明できる」は、同じ言葉ではありません。要領のほうが一段厳しく、しかも証明を求めています。申込書を書く前に、売上や利益の推移など、状況を示せる数字を手元に用意しておくほうが安全です。当サイトでは、どちらの表現が実際の運用かまでは確認できていません。

申し込めない事業者

実施要領の第7と交付要綱の第5第4項に、明確な除外があります。

一つめは、一度使った会社は二度目がない、ということです。制度名が長いので気づきにくいのですが、コロナ禍のときに同系統の補助金を受けていた場合も含まれます。心当たりがあれば、申し込む前に食ビジネス支援班へ確認してください。

いくらもらえるかHow much

補助率は補助対象経費の2分の1以内、補助上限は750千円(75万円)です。下限はありません。

補助限度額750千円(下限なし)
補助率補助対象経費の2分の1以内
専門家の派遣費用事業者負担なし(県の委託費から支出)

たとえば、パッケージのリニューアルと商談会出展に合わせて150万円(税抜)を使ったとします。その2分の1で75万円。上限にちょうど届きます。150万円を超えて使っても、補助金は75万円のままです。

端数の扱いには決まりがあります。事業実施の手引きに、こういう計算例が載っています。補助対象額の総額が999,999円(税抜)なら、999,999円 ÷ 2 = 499,999.5円。千円未満を切り捨てて、補助金額は499,000円になります。

金額はすべて税抜で精算します。手引きは、本体価格とは別に消費税額が表示されている場合はその分を引き、内数の場合は1.08または1.1で割り戻して小数点以下を切り捨てるよう指示しています。

何に使えるかEligible costs

対象経費は四つの区分(および「その他」)に分かれています。

対象にならない経費

事業実施の手引きが具体的に挙げているものを、そのまま並べます。

出展小間料が対象外になる商談会として、手引きは「おいしい山形・食材王国みやぎビジネス商談会」と「スーパーマーケット・トレードショー(宮城県ブースに出展の場合のみ)」の二つを名指ししています。ただし、これらの商談会でも、旅費やサンプル経費、マーケティングに関する経費は対象になります。

テスト販売を始めると、その分の原材料費は落ちる

手引きは、試作から商品化までの工程を段階に分けて、どこまでが対象かを示しています。試作品の開発、無料でのサンプル配布、無料でのテスト配布までは、原材料費が対象です。しかし有料での「テスト販売」に入った時点で、販売分の製造原価は対象外になります。紹介資料の作成費と展示会等の出展経費は、テスト販売以降も対象のままです。

いつまでか、どういう順番で進むかSchedule

募集期間は令和8年7月3日(金曜日)から令和8年9月30日(水曜日)まで。ただし、この日付だけを見て構えると間に合わない可能性があります。理由はあとで書きます。

手続きの順番は、県のページと手引きによると次のとおりです。

1派遣申込書(様式第1号)を県にメール等で提出
2県庁でヒアリング。経営課題の洗い出しと支援類型の検討
3支援対象事業者の決定(書面で通知)
4専門家派遣。支援カルテに基づき、5回程度
5補助金の交付申請 → 書面審査 → 交付決定
6補助事業の実施(交付決定日〜令和9年2月26日)
7実績報告書の提出(令和9年3月1日まで)
8履行調査 → 額の確定 → 補助金の精算払い

専門家の派遣期間は令和9年3月9日までです。補助事業の実施期間(2月26日まで)より少しあとまで続きます。

何が要るかDocuments

入口は、驚くほど軽くできています。

  1. 派遣申込書(別記様式第1号) ― これ1枚をメールで提出

県のページには、郵便や電子メール等でも構わないが、応募者本人が提出先に電話連絡して到着の有無を確認するように、と書かれています。宛先は宮城県農政部食産業振興課食ビジネス支援班(s-business@pref.miyagi.lg.jp、電話022-211-2812)です。

重いのは、そのあとの補助金交付申請のほうです。交付要綱の第5第3項が挙げているのは次のとおりです。

  1. 補助事業計画書
  2. 事業費積算明細書
  3. 事業スケジュール
  4. 外部専門家による補助事業計画確認届
  5. 専門家の指導・助言に基づく取組実施に係る同意書
  6. 暴力団排除に関する誓約書
  7. 直近3期分の決算報告書の写し
  8. 登記事項証明書(法人)/代表者の住民票抄本(個人)
  9. 納税証明書(全ての県税)
  10. その他知事が必要と認める書類

太字の三つは、自分で書いて終わりにできない書類です。登記事項証明書は法務局、納税証明書は県税事務所で取ります。直近3期分の決算報告書は、顧問税理士に頼むと数日かかることがあります。専門家派遣が始まってから慌てずに済むよう、派遣申込みと並行して手配を始めておくのが現実的です。

気をつけることWatch out

枠は7者程度。ホームページ本文には、この数字がない

募集チラシのPDFには、支援内容の説明の末尾に「支援事業者数は、7者程度となります。」と書かれています。加えて、募集期間の欄には次の一文があります。

「ヒアリングの結果、募集枠が埋まった場合は募集期間内でも受付を終了しますので、お早めに申込願います。」

この二つは、いずれも宮城県ホームページの本文には見当たらず、チラシのPDFにのみあります。ホームページだけを読むと「9月30日まで時間がある制度」に見えてしまいます。実際には、7者という枠が先に埋まるかどうかの勝負です。当サイトでは、現時点で何者が申し込んでいるかは確認できていません。早いほうが安全だ、としか言えません。

交付決定前の経費について、要綱と手引きで書き方が違う

ここは、記載が食い違っている箇所です。どちらかに決めつけずに、両方を挙げます。

交付要綱の第4第2項は、こう書いています。「知事は、交付決定の前に行われたものであっても、写真や書類等による確認が可能で適正と認められる第3の事業に要する経費については、補助金の対象とすることができる。」

一方、事業実施の手引きは、補助対象期間の考え方として「契約・発注から支払までが事業実施期間内(交付決定日〜令和9年2月26日)に収まっていること」を条件に挙げ、具体例の一つとして「事業期間前に契約締結を行っており、条件を満たさない」ケースをNGとして示しています。

要綱は例外を認める書き方、手引きは認めない書き方です。どちらが実際の運用かは、当サイトでは判断できません。確実なのは、契約も発注も支払も、交付決定を受けてから動かすことです。すでに動き出しているものがある場合は、申請前に食ビジネス支援班(022-211-2812)へ相談してください。

補助金は後払い。いったん全額を自分で払う

手引きは「補助金の支払いは、事業完了後の精算払いとなります」「原則、補助事業者から納入業者等への代金の支払いは、一旦全額をお支払いいただくことになります」と明記しています。150万円の取組をするなら、150万円を先に自社で用意する必要があります。事業の一部が完了して支払いが済んでいれば概算払いを受けられる場合があるとも書かれているので、資金繰りが厳しい場合は担当課へ相談する道はあります。

そのほか、見落としやすい点

申請についてApplying

申請書類の作成代行は、行政書士の業務です。当サイトは制度の情報をまとめたもので、代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。

出典:宮城県「【2次募集開始】令和8年度食品製造業経営力強化サポート事業について」
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/syokushin/syoku-sapo.html
同ページ掲載「募集チラシ」(PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/41038/chirashi.pdf
同ページ掲載「令和8年度食品製造業経営力強化サポート事業における専門家派遣事業実施要領」(PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/41038/02youryou.pdf
同ページ掲載「食品製造業経営力強化サポート事業費補助金交付要綱」(PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/41038/03youkou.pdf
同ページ掲載「食品製造業経営力強化サポート事業費補助金事業実施の手引き」(PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/41038/04tebiki.pdf
確認日:2026-08-11
※本記事は上記の公開資料をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の資料をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。