宮城県ユニバーサルデザインタクシー普及促進事業費補助金
宮城県内でタクシー事業を営む事業者と、その事業者に車両を貸すリース事業者が、UDタクシーの車両本体価格の3分の1(1台あたり40万〜100万円)の補助を受けられる制度です。受付は2027年1月29日まで。ただし予算がなくなり次第、そこで終わります。
- 誰が使えるか
- 宮城県内に住所(個人)または事務所・事業所(法人)を持つタクシー事業者。福祉輸送事業限定を除く。タクシー事業者に車両を貸すリース事業者も可。いずれも交付要綱第22条の暴力団排除要件に該当しないこと
- いくら
- 車両本体価格(税抜・値引き後)の3分の1以内/1台あたり上限40万・60万・80万・100万円のいずれか(下の表を参照)
- いつまで
- 2026年4月10日〜。締切 2027年1月29日(金曜日)。予算がなくなり次第終了。加えて2027年3月31日までに登録と支払を完了する必要あり
- 実施機関
- 宮城県(経済商工観光部 自動車産業振興室 企画班)
誰が使えるかWho
交付要綱第4条は、次の3つをすべて満たすタクシー事業者またはリース事業者を対象としています。
- 県内に住所を有する個人、または県内に事務所もしくは事業所を有する法人であること
- すべての県税に未納がないこと
- 補助金の交付先として社会通念上適切であると認められること
この3要件に加えて、交付要綱第22条の暴力団排除要件に該当しないことが必要です。補助対象事業者、またはリースの貸与先が暴力団もしくは暴力団員等に該当する場合等は、交付の対象になりません。
ここでいうタクシー事業者は、道路運送法第3条第1号ハの一般乗用旅客自動車運送事業を経営する者です。福祉輸送事業限定の事業者は、定義そのものから除かれています(交付要綱第2条第2号)。福祉車両を扱う事業者ほど関心を持ちやすい制度ですが、福祉輸送事業限定の許可で営業している場合は、入口で対象外になります。
県内か県外かの判定について、手引きのよくある質問に踏み込んだ説明があります。本社が宮城県外でも、県内に事務所または事業所があり、車検証上の使用の本拠が県内(宮城ナンバーまたは仙台ナンバー)であれば対象になります。逆に、県内に本社があっても、車検証上の使用の本拠が県外になる車両は対象になりません。会社の所在地ではなく、車をどこに置くかで決まります。
リース事業者が申請する場合は、貸与先のタクシー事業者も上の3要件と第22条の暴力団排除要件をすべて満たしている必要があります。暴力団排除に関する誓約書、役員等名簿、県税の納税証明書は、リース事業者と貸与先の両方について提出します。
いくらもらえるかHow much
補助率は補助対象経費の3分の1以内です。1台あたりの補助限度額は、車両の認定レベルと、国の補助金を受けるかどうかで4通りに分かれます(交付要綱第7条)。
| 認定レベル | 区分 | 1台あたり補助限度額 |
|---|---|---|
| レベル1・レベル2 (ジャパンタクシー) | 国の補助を受けない場合(県単独補助) | 80万円 |
| 国の補助を受ける場合(国庫上乗せ補助) | 40万円 | |
| 国に申請したが交付決定を受けられなかった場合 | 100万円 | |
| レベル準1 (シエンタ ウェルキャブ仕様) | 国の補助を受けない場合(県単独補助) | 60万円 |
| 国の補助を受ける場合(国庫上乗せ補助) | 40万円 | |
| 国に申請したが交付決定を受けられなかった場合 | 80万円 |
実際にいくらになるか、4つの例で見ます。金額はいずれも税抜・値引き後の車両本体価格です。
- ジャパンタクシー(レベル1)を324万円で購入、国の補助は申請しない ―― 324万円 × 3分の1 = 108万円。限度額80万円を超えるので、80万円で頭打ちです。車両本体価格が240万円を超えた時点で上限に達します
- シエンタ ウェルキャブ仕様(レベル準1)を165万円で購入、国の補助は申請しない ―― 165万円 × 3分の1 = 55万円。限度額60万円に届かないので、55万円がそのまま補助されます
- ジャパンタクシーを324万円で購入し、国の補助金の交付決定を受けた ―― 県の限度額が40万円に下がるので、県からは40万円です。ただし国の補助金が別に入ります
- ジャパンタクシーを324万円で購入し、国に交付申請したが予算の都合で交付決定されなかった ―― 限度額が100万円に上がるので、108万円のうち100万円が補助されます
計算結果に千円未満の端数が出た場合は切り捨てられます。同一の事業者が複数台を申請することもできます。
「40万円」と「100万円」が同じことを指している場合があります
この制度は、資料によって金額の見え方が変わります。読み違えやすい箇所なので、分けて書きます。
県のウェブページと補助事業実施の手引きに載っている表は、県が出す金額だけを示しています。国の補助を受ける場合の「40万円」は、県の負担分です。一方、県の案内チラシは同じ場面を「県・国合計100万円」と書いています。県の40万円に、国の補助金(チラシは60万円程度と想定)を足した数字です。
つまり、県のページで「40万円」を見て少ないと感じた事業者と、チラシで「100万円」を見た事業者は、同じ制度の同じ場面を見ています。ただしチラシは、国の補助上限額について「令和7年度の実績をもとにした現時点での想定」と注記しています。国の補助金の額そのものは、県が保証しているものではありません。
何に使えるかEligible costs
対象になるのは、UDタクシーの車両本体の購入に要する経費だけです(交付要綱第6条)。手引きは、その中身をさらに絞り込んでいます。
- 消費税および地方消費税に相当する額は除きます
- メーカーオプション価格、付属品価格は含みません
- 値引き額がある場合は、車両本体価格から差し引きます
- 下取り車両がある場合は、下取り価格を差し引く必要はありません
計算式は、手引きに次のように書かれています。補助対象経費 = 車両本体価格 − 値引き額(消費税および地方消費税を除く)。諸費用や登録費用は入りません。
対象になる車両の6条件
- 国の「標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領」に基づく認定を受けた車両であること
- 宮城県内で生産された車両であること
- 宮城県内に使用の本拠を置く車両であること
- タクシー事業を行うために使用する車両であること
- 新規登録された車両であること(登録を抹消した中古自動車の再登録を除く)
- この補助金の交付を過去に受けたことがない車両であること
2番目の「県内で生産された車両」が、この制度でいちばん大きな線引きです。交付要綱の条文は「県内で生産された車両であること」とだけ書いていますが、県の案内チラシと県のページは、これに該当する車両としてジャパンタクシーとシエンタ ウェルキャブ仕様の2車種を挙げています。他のメーカーのUDタクシーを検討している場合は、この一点で結論が変わります。
この制度が福祉政策としてだけでなく、県内の自動車関連産業の振興を目的として組まれているためです(交付要綱第1条)。県内生産という条件は、その目的から来ています。
何が要るかDocuments
交付申請時に提出する書類は次のとおりです。押印はいずれも不要です。
- 補助金交付申請書(様式第1号)
- 事業計画書(様式第1号別紙1)
- 研修計画等申告書(様式第1号別紙2)
- 誓約書(様式第1号別紙3。暴力団排除に関するもの)
- 役員等名簿(様式第1号別紙4)
- 貸与料金算定根拠明細書(様式第1号別紙5。リース事業者が申請する場合)
- 車両代金見積書の写し(本体価格と値引き額、他の費用が明記されているもの)
- 国の交付決定通知の写し(国の補助を受ける場合)
- 住民票の写し(個人の場合。発行から3か月以内)
- 県税の納税証明書(写し可。すべての県税について未納がないことを証明するもの。発行から3か月以内)
- 標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定書の写し(自動車販売店等から取得)
- その他知事が必要と認める書類
先に手を付けておくとよいのは、県税の納税証明書です。県税事務所の窓口で交付を受けるもので、1通あたり400円の手数料がかかります。申請者の住所や所在地に関係なく、県内10か所のどの県税事務所でも取得できます。申請書に添える段階で発行から3か月以内であることが必要なので、取得が早すぎても使えません。なお、リース事業者が申請する場合は、リース事業者と貸与先のタクシー事業者の両方の納税証明書が要ります。
提出は、電子申請サービス(LoGoフォーム)、電子メール、郵送、持参のいずれかです。郵送の場合は簡易書留など配達記録が残る方法を、持参の場合は事前の来庁日時の連絡を求められています。
気をつけることWatch out
- 原則として、車両を導入する前に申請します。車両の発注、車両登録、代金支払のいずれよりも前に交付申請をするのが原則です。すでにUDタクシーを導入済みの場合は対象になりません。手引きのよくある質問は「県の交付決定を受けてから購入した車両が補助対象となります」と明記しています。交付決定前にどうしても導入が必要な場合は、必ず事前に「交付決定前着手届」を提出してください
- ローン(割賦)購入は対象外です。所有権が留保されている車両は補助対象になりません。この条件は県のウェブページ本文には書かれておらず、手引きのよくある質問と、手引き第1章の注記にだけ書かれています。現金一括かリースかで、使えるかどうかが変わります
- 3月31日という、締切より重い期限があります。受付は2027年1月29日までですが、2027年3月31日までに車両の新規登録と車両代金の支払を完了しないと、補助の対象外になります。自己所有で申請する場合は申請者自身が、リースの場合はリース事業者が車両を購入します。納期の長い車両を選ぶと、申請が間に合っても事業として間に合いません。手引きは「納車時期を事前に自動車販売店等に確認の上、申請してください」と促しています
- 予算がなくなった時点で終わります。受付期間内であっても、申請が予算額に達した時点で受付を終了します。2026年8月24日に確認した宮城県公式ページでは、残予算額の具体的な記載を確認できませんでした。受付状況は、申請前に宮城県へご確認ください
- 研修計画の提出と、実施状況の報告が必要です。申請時に「研修計画等申告書」で計画を提出し、事業完了後に「研修実施状況等報告書」で実施状況を報告します。交付要綱第20条は、UDタクシーの運送に関する関係法令の遵守、利用者への配慮、必要な環境の整備に努めることを定めています。研修計画等申告書と研修実施状況等報告書の提出、研修の具体例は補助事業実施の手引きに記載されています。第21条はUDタクシーの普及・啓発の取組を求めています。手引きが挙げる研修の具体例は、実車を用いた乗降研修、高齢者・障がい者の接客研修、専門講師による講義です。車を買って終わりではありません。リース事業者が申請する場合、計画・報告書は貸与先のタクシー事業者が作成します。取組内容は交付要綱と手引きをご確認ください
- リース料金は、補助金の額だけ安くしなければなりません。交付要綱第4条第2項は「通常のリース料金から減額して設定するものとする」と定めるだけですが、手引きの記載例は減額の下限を数字で示しています。補助金なしの場合と補助金ありの場合のリース料金総額の差額が、国・県・その他の助成金の合計額以上になるように設定すること。具体例として「県単独補助を受ける場合は1台当たり80万円以上、国・県両方の補助を受ける場合は1台当たり100万円以上の差額」と書かれています。補助金をリース事業者の利益にとどめず、タクシー事業者へ渡すための仕組みです
- 後払いです。補助金は、実績報告を受けて額が確定した後に交付されます(交付要綱第17条)。自己所有で申請する場合は、交付決定後、期限までに車両登録と車両代金の支払いを完了し、請求書・領収書等を提出します。リースの場合は、リース事業者による車両の購入、貸与先との契約、リース料金の設定を、手引きに従って確認してください
- 国の補助金の交付決定を受けたら、必ず変更承認申請が必要です。県の交付決定後に国の補助金の交付決定を受けると、県の限度額が40万円に下がります。この場合は速やかに変更承認申請書を提出することが義務づけられています(交付要綱第10条第2号・第11条第2項)。他の助成金を受けることになった場合(予定・見込みを含む)も、速やかに県へ報告する条件が付いています
- 買った後も処分が制限されます。補助を受けて導入した車両は、原則として損壊・廃棄・転用・譲渡・交換・貸付・担保に供することが認められません。県外に使用の本拠を移して使うことも、この処分に含まれます。処分するには事前に知事の承認が必要で、処分により収入があったと認められた場合は補助金の全部または一部の返還を求められることがあります。帳簿と証拠書類は、車両を取得した年度の翌年度から5年間の保存義務があります
- 自家用有償旅客運送に使う車両、およびタクシーとして使わず社内業務に使う車両は対象外です
- 本記事に書いた採否の判断基準は、交付要綱と手引きに書かれた要件のみです。2026年8月24日に確認した宮城県公式ページでは、採択率や審査の加点項目の具体的な記載を確認できませんでした。当サイトでは、採択されるかどうかについて何の見通しも示しません
資料のあいだで食い違っている箇所Discrepancy
当サイトが確認した範囲で、県の資料に一致しない記載が一つあります。どちらが正しいかは県が判断することなので、両方を並べます。
令和8年4月付の「補助事業実施の手引き」第1章は、補助対象車両の条件として「令和7年度中に新規登録する車両(新車)であること」と書いています。一方、同じ手引きの第4章以降は「令和9年3月31日までに車両登録及び代金支払を完了する必要があります」と繰り返しています。交付要綱第5条第4号も「知事が補助金の交付の決定をした会計年度の終了の日までに新規登録された車両」と定めており、令和8年度の交付決定であれば令和9年3月31日が期限になります。
第1章の「令和7年度」は、前年度版の記述が残ったものと読めますが、当サイトの側では断定できません。実務上の結論としては、令和9年3月31日までに新規登録と代金支払を完了する必要がある、と考えるのが要綱と手引き本体に沿います。申請前に自動車産業振興室(022-211-2724)へご確認ください。
あわせて確認したい制度Related
宮城県は、旅客運送事業者向けにもう一つ別の補助金を出しています。宮城県旅客運送事業者経営強化支援事業費補助金は、運行管理支援システム、配車アプリ、キャッシュレス決済機器など、業務効率化に資するシステムや機器の導入を支援するもので、令和8年度の二次公募が2026年12月25日17時まで受け付けられています(予算の上限に達する応募があった場合、その月の月末で終了)。車両ではなく、システムや機器が対象です。
ただし、こちらの補助率と補助上限額は公募要領の別表1に画像として掲載されており、当サイトはメニューごとの補助率(3分の1と2分の1の2区分があること以外)を読み取れていません。金額を確かめるには、公募要領のPDFを直接ご覧ください。問い合わせ先は宮城県企画部地域交通政策課(022-211-2436)です。
申請についてApplying
行政書士法上、他人の依頼を受けて報酬を得て官公署に提出する書類を作成する業務は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、行政書士の業務に当たり得ます。当サイトは制度の情報をまとめたもので、申請書類の作成代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。
制度そのものに関するお問い合わせ先は、宮城県経済商工観光部 自動車産業振興室 企画班 UDタクシー補助事業担当(電話 022-211-2724/メール jidoushak@pref.miyagi.lg.jp)です。受付時間は月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで(正午から午後1時、祝祭日、年末年始12月27日から1月4日を除く)です。
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/jidousha/r8udtaxi.html
出典2:宮城県「宮城県ユニバーサルデザインタクシー普及促進事業費補助金交付要綱」(PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/64664/youkou.pdf
出典3:宮城県「令和8年度 宮城県ユニバーサルデザインタクシー普及促進事業費補助金 補助事業実施の手引き」(令和8年4月/PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/64664/tebiki.pdf
出典4:宮城県「ユニバーサルデザインタクシー普及促進事業費補助金のご案内」(令和8年度・案内チラシ/PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/64664/udflyer.pdf
出典5(関連制度):宮城県「令和8年度宮城県旅客運送事業者経営強化支援事業費補助金の募集について」(掲載日 2026年7月10日)
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/soukou/miyagi-transport-support.html
確認日:2026-08-24
※本記事は公募要領をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の公募要領をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。