宮城県ものづくり産業振興起業家等育成支援事業費補助金(ベンチャー企業支援型)
宮城県内で研究開発を行う製造業のベンチャーが、オフィスやラボの賃料の2分の1(1か月5万円まで)を、最長3年間受けられる制度です。令和8年度分の申請期限は2月15日、予算額に達し次第終了します。
- 誰が使えるか
- 宮城県内にオフィス・ラボを置く(または新設する)、製造業で研究開発等を行う創業・第二創業10年以内の中小企業者。入居後3年以内に法人を設立する計画のある個人も可
- いくら
- 賃料の2分の1以内/1か月あたり上限5万円。最長3年
- いつまで
- 初年度は随時受付。締切 2月15日(令和8年度分は2027年2月15日)。ただし予算額に達し次第終了。継続申請は翌年度の4月10日まで
- 実施機関
- 宮城県(経済商工観光部 新産業振興課 スタートアップ支援班)
誰が使えるかWho
交付要綱第3条は、次のすべてを満たす者を対象としています。
- 自社において研究開発・技術開発・商品開発等を行う者で、起業または第二創業の日から10年以内の中小企業者。もしくは、入居後3年以内に事業化に係る法人を設立する計画のある個人
- 宮城県内にオフィスまたはラボを置く者、または新たに開設する者
- 補助事業の終了後3年間、県内で事業活動を継続する予定の者
- 次のいずれにも当たらない者 ―― 同一の大企業からの出資が資本金の2分の1以上/大企業からの出資が資本金の3分の2以上/大企業の役員または職員を兼ねる者が役員総数の2分の1を占める/暴力団または暴力団員等/宮城県の県税を滞納している者
業種は「主として日本標準産業分類の製造業に分類される業務」に限られます。ここで注意が要るのは、県のページには書かれておらず、Q&A(PDF)にだけ書かれている除外です。製造業のうち「食料品製造業」と「飲料・たばこ・飼料製造業」は対象から除かれます。また、自ら製造した製品をその場で消費者に売る、いわゆる製造小売業は小売業に分類されるため対象外です。食品をつくる事業者の方は、この一点で結論が変わります。
「自社において研究開発等を行う」の判定も、Q&Aに具体的な基準があります。定款の事業目的に「研究開発」「技術開発」「商品開発」などの記載があることで確認するとされています。実態として開発を行っていても、定款に書かれていなければ確認の対象になりません。定款を先に見ておくことをおすすめします。
10年以内かどうかの基準日は、個人事業主なら税務署に出した開業届に書いた開業日、法人なら商業登記簿に記載された法人設立日です。第二創業の場合は、商業登記簿の目的変更の日で判断されます。いずれも事業計画(様式第1号)の提出時点で見ます。
中小企業者の範囲は中小企業基本法の定義によります。製造業・建設業・運輸業その他は「資本金3億円以下」または「常時使用する従業員300人以下」のいずれかを満たせば該当します。
いくらもらえるかHow much
補助率は2分の1以内、補助限度額は1か月につき5万円です(交付要綱第6条)。補助の対象期間は、初めて交付決定を受けた月の翌月から起算して3年が限度です。ただし、初めて申請する月の1日に入居が完了していて、かつ10日までに申請した場合は、その月の初めから3年とすることができます。
実際にいくらになるか、3つの例で見ます。金額はいずれも税抜の月額賃料です。
- 月額賃料8万円(共益費などは別建て) ―― 8万円 × 2分の1 = 4万円。上限に届かないので、月4万円が補助されます
- 月額賃料15万円(共益費などは別建て) ―― 15万円 × 2分の1 = 7万5,000円。上限を超えるので、月5万円で頭打ちになります。賃料が10万円を超えた時点で上限に達し、それ以上は増えません
- 月額賃料10万円(共益費・水道光熱費を含む契約) ―― Q&Aの一律控除により、共益費5%(5,000円)と水道光熱費等10%(1万円)を差し引いた8万5,000円が補助対象経費になります。その2分の1で月4万2,500円です
3年間、毎月上限の5万円を受け取れた場合の合計は、5万円 × 36か月 = 180万円です。
交付要綱によれば、退去日が月の末日でないときは日割り計算となり、100円未満の端数は切り捨てられます。
何に使えるかEligible costs
- 宮城県内の賃貸施設(オフィス・ラボ)の賃料
対象になるのは賃料だけです。消費税および地方消費税、共益費、敷金、礼金、保証金は除かれます(交付要綱第4条)。県のページはこれに加えて水道光熱費も対象外と説明しています。他の公的な補助金や助成金を受けた場合は、その額を差し引いた額が補助対象経費になります。
施設そのものが対象から外れる場合もあります。
- 賃貸借契約書等で月額賃料(税抜)が確認できない施設
- 申請者と親密な関係を有する法人または個人が賃貸人である施設(親会社・子会社・グループ企業などの関連会社、代表者の三親等以内の親族が経営する会社、代表者の親族本人)
- 住居と兼用で利用している施設
- オフィス・ラボ以外の目的で使っている施設(倉庫として使っている場合など)
- 東北大学連携型起業家育成施設(T-Biz)
倉庫の扱いには、Q&Aに補足があります。オフィスの事務作業に必要な備品を保管する倉庫部分や、ラボの機器・材料を置く部屋は、一体で使っているなら対象になります。対象外になるのは、製造した製品を保管する倉庫としてだけ借りている場合です。県が現地確認を行うことがあると明記されています。
何が要るかDocuments
初年度の交付申請に必要な書類は、次のとおりです。
- 交付申請書(様式第1号)
- 補助金交付申請額内訳書(別紙様式1-1)
- 事業計画書(別紙様式1-2)
- 入居施設に係る契約書の写し、間取り図、その他契約内容を確認できる書類
- 宮城県の県税(税目:全ての県税)の納税証明書。1か月以内のもの
- 許認可を必要とする業種の場合は、営業許可証等の写し
- 暴力団排除に関する誓約書、役員名簿
- 登記事項証明書。3か月以内のもの(法人の場合)
- 定款(法人の場合)
- 直近の決算書、事業報告書(法人の場合)
- 会社案内、事業パンフレット、技術・製品・サービス等の説明資料(法人の場合)
- 住民票(個人の場合)
- 補助金振込口座連絡票
先に手を打つべきは、県税の納税証明書(有効期間1か月)と登記事項証明書(3か月)です。どちらも役所に取りに行く必要があり、有効期間があるため、取る順番を間違えると取り直しになります。申請日から逆算して手配してください。個人事業主の方は、創業を証明するために税務署の受付印がある開業届の写しも要ります(電子申請の場合は「メール詳細(受信通知)」で代用できます)。提出は電子申請フォーム(LoGoフォーム)からです。
いつまでか、どう進むかSchedule
初年度の申請は随時受け付けており、期限は2月15日です。交付要綱第7条は提出期限を「県の会計年度の2月15日」と定めています。令和8年度分は2027年2月15日にあたります(県のページには「2月15日」とだけ書かれており、年の記載はありません)。ただし、予算額に達した時点で募集は終了します。期限より前に締め切られる可能性があるため、期限までまだ日があることを理由に待つのは得策ではありません。
2年目以降、継続して申請する場合の提出期限は、翌年度の4月10日です。賃貸借契約の期間が県の会計年度をまたぐ場合、年度ごとに申請の手続きが必要になります。Q&Aには、令和4年6月に入居した場合の例として、初回は6月〜翌年3月の10か月分、2回目以降は年度ごとに12か月分ずつ申請する流れが示されています。2年分をまとめて申請することはできません。
初年度の申請期限について、県の資料の間に食い違いがあります。県のページの「募集期間」欄と交付要綱第7条は、いずれも2月15日と書いています。一方、同じページの様式一覧の表では、初年度の交付申請の期限が「賃貸借契約締結日から90日以内又は3月10日のいずれか早い日まで」となっています。日付が2月15日と3月10日で異なり、様式一覧にだけ「契約締結日から90日以内」という条件が付いています。当サイトではどちらが正しいかを判断していません。契約を結んでから日数が経っている場合や、年明けに申請する場合は、申請前に新産業振興課(022-211-2779)へ確認することをおすすめします。
実績報告書の提出期限は、補助事業の完了または廃止の承認の日から30日を経過した日か、交付決定のあった年度の翌年度の4月10日の、いずれか早い日までです。
気をつけることWatch out
- 後払いです。補助金は、実績報告を受けて額が確定した後に交付されます(交付要綱第12条)。支払いが済んだ経費が対象になるため、賃料はいったん自分で払い切る必要があります。県が必要と認めた場合は概算払いを請求できますが、原則ではありません
- 10年の壁が3年より先に来ることがあります。交付を受け始めてから3年を迎える前に、起業または第二創業の日から10年を迎える場合は、10年を迎えた日か、その年度末のいずれか早い日までが対象期間になります(交付要綱第5条第2項)。創業から7年目、8年目で申請すると、3年満額にはなりません
- 終わった後も義務が3年続きます。補助事業の完了日から3年間、宮城県内にオフィス等を持ち続けることが交付の条件です(第9条)。加えて、補助事業年度の終了後3年間、毎年6月30日までに事業化等の状況を報告する義務があります(第15条)。県外へ移転する予定がある場合は、この条件を先に確認してください
- 条件に違反すると返還になります。交付済みの補助金の全部または一部の返還を命じられることがあります。返還命令から15日以内に納付しない場合、未納額に対して年10.95%の割合で延滞金が課されます(第11条・第14条)
- 補助金に係る経理の証拠書類は、補助事業が完了した年度の終了後5年間、保存する必要があります(第13条)
- 本記事に書いた採否の判断基準は、公募要領や交付要綱に書かれた要件のみです。審査の加点項目や採択率は公表されていません。当サイトでは、採択されるかどうかについて何の見通しも示しません
申請についてApplying
申請書類の作成代行は、行政書士の業務です。当サイトは制度の情報をまとめたもので、代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。
制度そのものに関するお問い合わせ先は、宮城県経済商工観光部 新産業振興課 スタートアップ支援班(電話 022-211-2779/メール shinsansu@pref.miyagi.lg.jp)です。
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/shinsan/venture-hojor.html
出典2:宮城県「宮城県ものづくり産業振興起業家等育成支援事業費補助金(ベンチャー企業支援型)交付要綱」(PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/51817/youkou.pdf
出典3:宮城県「補助事業Q&A」(PDF)
https://www.pref.miyagi.jp/documents/51817/14_qa.pdf
確認日:2026-08-13
※本記事は公募要領をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の公募要領をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。