賃上げドライブ補助金(仙台市設備投資促進補助金)
正社員が6人以上いる仙台市内の事業者が、正社員の平均賃金を3%以上引き上げ、その前後に設備投資をしていれば、投資額の3分の2から4分の3が戻ってきます。上限は300万円。賃上げも設備投資も済ませてから申請する、後追いの制度です。受付は令和9年3月31日まで。ただし予算上限に達した時点で終わります。
- 誰が使えるか
- 仙台市内に本店等を置く中小企業者・会社以外の法人・個人事業主で、正社員が6人以上いること。令和7年以降の事業年度に正社員の平均賃金を3%以上引き上げていること
- いくら
- 賃上げ率3%以上5%未満は上限100万円・補助率3分の2/5%以上は上限300万円・補助率4分の3(補助対象経費の下限10万円)
- いつまで
- 交付申請の期限は 2027年3月31日。予算上限に達し次第、受付終了
- 実施機関
- 仙台市 経済局 中小企業支援課 経営支援係
誰が使えるかWho
入口の条件は二つです。正社員が6人以上いることと、正社員の平均賃金をすでに3%以上引き上げていること。この二つで対象がかなり絞られます。
正社員数の条件は、市のページには「正社員数が6人以上」と書かれています。交付要綱では「正社員数が5人以下である事業者」を対象から除く、という書き方です。表現は違いますが同じ内容で、5人以下の事業者はこの制度を使えません。
ここでいう正社員には、次の三つをすべて満たす人だけが数えられます。
- 雇用期間の定めがないこと(無期雇用)
- 週30時間以上勤務し、雇用保険に加入していること
- 賃金の支払い方法が月給制または年俸制であること(年俸制は年俸額を12で割った額を月給として扱う)
代表取締役、取締役、個人事業主、専従者、日雇いの人、試用期間中の人は正社員に含みません。従業員が7〜8人いても、この定義で数え直すと6人を切ることがあります。
所在地と規模の条件は、事業者の形態によって分かれます。
- 中小企業者(会社)――登記上の本店が仙台市内にあること。規模の上限は業種によって異なり、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、サービス業は資本金5,000万円以下または従業員100人以下、小売業は資本金5,000万円以下または従業員50人以下、それ以外の業種は資本金3億円以下または従業員300人以下です
- 会社以外の法人――医療法人、社会福祉法人などで、登記上の主たる事務所が仙台市内にあること
- 個人事業主――仙台市の住民基本台帳に記録されているか、市内に施設を所有または借りてその施設で事業を行っていること
市のページは個人事業主について業種の限定を書いていませんが、交付要綱第2条第3号は「個人事業者 卸売業、サービス業、小売業を行う個人」と定めています。文言どおりに読むと、製造業や建設業を営む個人事業主が入らないことになります。どちらが正しいかは当サイトでは判断していません。個人事業主でこれらの業種以外の方は、申請前に中小企業支援課(022-214-8772)へご確認ください。
このほか、市税を滞納していないこと、暴力団等と関係を有していないことが条件です。市税の納税状況は、申請者が同意すれば市が調べます。同意しない場合は、申請日前30日以内に取得した「市税の滞納がないことの証明書」を自分で用意します。
いくらもらえるかHow much
賃上げ率によって、上限額と補助率が二段階に分かれます。
- 3%以上5%未満
- 上限100万円/補助率3分の2
- 5%以上
- 上限300万円/補助率4分の3
補助対象経費の下限は10万円です。補助額に1,000円未満の端数が出たときは切り捨てます。計算例を四つ挙げます。
- 賃上げ率3.5%で、業務管理システムを60万円で導入した場合――60万円の3分の2で40万円
- 賃上げ率3.5%で、機械を300万円で購入した場合――3分の2なら200万円ですが上限にかかり100万円。この区分では、対象経費が150万円に達したところで上限に届き、それ以上は増えません
- 賃上げ率5.2%で、省力化機械を240万円で導入した場合――240万円の4分の3で180万円
- 賃上げ率5.2%で、400万円を投じた場合――4分の3でちょうど300万円。この区分の上限は対象経費400万円で頭打ちになります
下限ぎりぎりの10万円を投じた場合は、3分の2なら66,000円、4分の3なら75,000円です(いずれも1,000円未満切捨て後)。
賃上げ率が3%にわずかに届かない場合、補助は一切ありません。2.9%と3.0%の差が、100万円との差になります。
何に使えるかEligible costs
賃金引上げの実現に資する生産性向上、競争力強化、労働能率の増進のために必要な設備投資等の経費が対象です。大きく「設備投資に要する経費」と「付随費用」に分かれます。
- 機械装置等購入費――生産性向上、自動化、省力化に資する機械装置や器具備品の購入費。付属品、据付費、運搬費を含みます(例:自動食洗機、省力化ロボット)
- システム・ソフトウェア導入費――生産管理、在庫管理、労務管理などの効率化・高度化に資する専用ソフトウェアの導入費(例:POSレジ、在庫・顧客・帳票管理システム)。汎用ソフトだけの購入は対象外です
- 造作・改修費――作業動線の短縮、省力化・自動化設備の導入に伴うレイアウト最適化のための改修費
- 設計費・工事費――レイアウト設計、基礎工事、動線最適化に係る経費
- 委託費――設定作業、プログラム構築、業務フロー見直しなどの外部委託費
- 人材育成・教育訓練費――導入した設備の操作・運用研修、業務改善研修。一般的な職能研修は対象外です
- 経営コンサルティング経費――生産性向上計画の策定、業務フロー見直しなど、当該設備投資・業務改善に必要な専門家支援。一般のコンサルティング費用は対象外です
対象から除かれる経費も、交付要綱に列挙されています。
- 謝金、旅費、会議費、印刷製本費(人材育成・教育訓練の外部講師への謝金と旅費だけは、実費かつ相当と認められる範囲で対象)
- 単なる経費削減を目的とした経費
- 不快感の軽減や快適化を目的とした職場環境の改善経費
- 通常の事業活動に伴う経費
- 法令で設置が義務づけられているものの整備費、事業に必須の資格の取得費
- 生産性向上・競争力強化・労働能率の増進が認められないと判断されるもの
造作・改修費は、市のページでは「作業導線の最適化等に伴うレイアウト変更等に係る経費」とだけ書かれていますが、交付要綱には「図面・工程比較その他客観的資料により作業時間の短縮効果が確認できる場合に限る」という条件が付いています。改修を対象にするつもりなら、図面や工程比較の資料を用意しておく必要があります。
何が要るかDocuments
市のページが挙げている提出書類は15点です。該当する場合のみ必要なものも含みます。
- 必要書類チェックシート(エクセル)
- 交付申請書兼実績報告書(様式第1号)
- 様式第1号別紙(正社員の平均賃金引上げ状況)※エクセル様式で提出
- 賃金引上げ前後の月における賃金台帳の写し
- 給与振込依頼書等の写し(社内控。賃金台帳と金額の一致が確認できるもの)
- 補助対象経費を支出したことを証する書類(契約書、領収書、導入物の写真等)
- 会計期間(事業年度の開始日と終了日)が確認できる書類の写し(決算書類、定款の該当部分など)
- 法人は3か月以内に取得した登記事項証明書の写し。個人は本人確認書類の写し
- 個人で住民登録地が仙台市以外の場合、市内の施設で事業を行っていることを示す書類の写し(店舗の賃貸借契約書等)
- 交付請求書(様式第5号)
- 預金通帳の写し、またはインターネットバンキングの口座情報ページの写し
- 就業規則、賃金規程等の写し(賃金体系や各種手当の支給基準が確認できるもの)
- 日時・場所・実施内容が明らかになる書類 ※人材育成・教育訓練や研修を実施した場合のみ
- 市税の滞納がないことの証明書(30日以内のもの)※市税照会に同意しない場合のみ
- 委任状 ※代理人に委任する場合のみ
先に手をつけておきたいのは、3番の「様式第1号別紙」と12番の就業規則・賃金規程です。別紙は正社員一人ひとりの賃金を引上げ前後で並べて平均を出す表で、4番の賃金台帳、5番の給与振込依頼書と数字が合っている必要があります。8番の登記事項証明書は3か月以内、14番の納税証明書は30日以内という期限があるので、取得のタイミングを最後に回すと使えなくなります。
提出はメール(kei008040@city.sendai.jp。件名に【賃上げドライブ補助金申請】と記載)または郵送です。市は申請が到達してから30日以内に交付決定を行うとしています。
気をつけることWatch out
- 順序が一般的な補助金と逆です。この補助金は、賃上げと設備投資をすでに済ませてから申請します。様式の名称も「交付申請書兼実績報告書」で、申請と実績報告を一度に行う形です。交付決定を待ってから設備を買う制度だと思い込むと、条件を満たせません
- 賃上げ3%の計算に入る賃金の範囲が狭いこと。計算に含めるのは基本賃金と、役職手当・資格手当・職能手当・地域手当・職務手当など毎月固定で支給される手当だけです。通勤手当、家族手当、皆勤手当、残業代、休日出勤手当、深夜手当、賞与、臨時手当は除かれます。変動する手当を増やして賃金を上げた場合、この計算では3%に届かないことがあります
- 経費を支出した時期に縛りがあること。対象になるのは、賃金を引き上げた事業年度、またはその直前の事業年度に支出した経費に限られます。3年前の設備投資は使えません。事業年度は事業者ごとに異なるため、自社の会計期間で判断します
- 同じ経費に国や自治体の補助金を受けていると対象外です。交付要綱は、補助対象経費を対象として国または地方公共団体から補助金等の交付その他これに類する助成等を受けていないことを条件にしています。国のIT導入補助金などを使った設備で、重ねてこの補助金を受けることはできません
- 車両は原則として対象外です。送迎・配送・荷役・訪問サービスなど車両そのものが業務工程の一部を成す用途であり、仕様(リフト、パワーゲート、冷蔵冷凍機能等)と生産性向上との関係を申請書で説明できる場合に限って対象になります。老朽化による買替えや、営業活動・通勤といった汎用的な用途は対象外です
- パソコン・タブレットも原則として対象外です。新たに導入するソフトウェアやシステムの運用に不可欠な端末である場合に限られ、既存端末の単なる更新や一般事務用の汎用端末は対象になりません。通信費、保守費、月額利用料といったランニングコストも対象外です
- リース・レンタルは、申請日までに支払った分だけが対象です。直前の事業年度の開始日以後、交付申請日の前日までに支出した額(前払金を含む)に限られ、申請日以後に発生する支出や未払金は対象になりません。契約期間が複数年度にわたる場合も、補助対象期間に属する支払済額だけが対象です
- 締切日より先に予算が尽きる可能性があります。市は「予算上限に達し次第、受け付けを終了します」と明記しています。令和9年3月31日という期限まで受け付けられる保証はありません
- 交付要綱は令和9年3月31日限りで効力を失います。令和9年度以降も同じ制度が続くかどうかは、現時点では分かりません
- 証拠書類は5年間保存する義務があります。補助金の交付を受けた年度の翌年度から5年間です。交付後に立入検査を受けることもあります
申請についてApplying
申請書類の作成代行は、行政書士の業務です。当サイトは制度の情報をまとめたもので、代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。
https://www.city.sendai.jp/kikakushien/setubitousisokusin.html
出典:仙台市「仙台市設備投資促進補助金事業交付要綱」(令和8年3月3日経済局長決裁)
https://www.city.sendai.jp/kikakushien/documents/youkou.pdf
出典:仙台市「賃上げドライブ補助金(仙台設備投資促進補助金)チラシ」
https://www.city.sendai.jp/kikakushien/documents/setubitousisokusin-chirashi2.pdf
確認日:2026-08-14
※本記事は公募要領をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の公募要領をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。