令和8年度 仙台市男性育休取得奨励金
男性従業員が連続7日以上の育児休業を取り、復帰して2か月働いた。それだけで、仙台市内の中小企業等は10万円または20万円を受け取れます。業種の限定はなく、資本金の規模も問いません。受付は2027年3月31日まで。ただし本当の期限は別にあり、復帰が遅いと申請そのものができなくなります。
- 誰が使えるか
- 登記上の本店または主たる事務所が仙台市内にあり、常時雇用する従業員の数が300人以下の法人または個人事業者。業種の限定なし、資本金の規模も問わない
- いくら
- 補助率の定めはなく定額。スタートアップコースが10万円(合計28日未満)または20万円(合計28日以上)、ステップアップコースが20万円。年度内に1事業者1回限り
- いつまで
- 受付は2026年4月1日〜。締切 2027年3月31日(水曜日)。予算上限に達し次第終了。加えて、復帰後2か月経過した日の翌日から3か月以内という期限がある
- 実施機関
- 仙台市(こども若者局 こども若者政策課 企画係)
誰が使えるかWho
支給要綱第3条は、申請日時点で次のすべてを満たす事業者を対象としています。
- 中小企業者または個人事業者であること
- 育児・介護休業法その他の労働関係法令に係る重大な違反に問われていないこと
- 法人の場合は、法人市民税および事業所税の申告(義務がある場合)を行い、かつ市税を滞納していないこと
- 個人事業者の場合は、個人として納付すべき市税に加え、個人事業者として納付すべき市税を滞納していないこと
- 暴力団等と関係を有する者でないこと
- 雇用保険法第7条の規定による届出をしていること
- 対象労働者がいること
- 同一コースの奨励金の支給を、申請日以前に受けていないこと
ここでいう「中小企業者」は、要綱第2条で「常時雇用する従業員の数が300人以下」かつ「登記されている本店または主たる事務所の所在地が仙台市内」と定義されています。個人事業者は、仙台市の住民基本台帳に記録されているか、市内に事業所を所有・賃借してその事業所で事業を行っている者です。
資本金の規模を問わない制度です
この制度の対象の広さは、Q&Aの一問目にはっきり書かれています。「資本金の規模は問いません。中小企業基本法で定義する中小企業者に当てはまらなくても(例えば、サービス業で資本金の額が1億円で従業員数が200人以下の場合など)対象となります」。
市の補助金には資本金要件が付くものが多いなかで、ここは従業員数だけで線が引かれています。資本金要件で他の制度から外れてきた事業者は、この制度では入口を通れる可能性があります。
また、対象となる「民間企業」の幅も広く取られています。一般的な会社のほか、NPO法人、社会福祉法人、医療法人、学校法人、一般社団法人、事業協同組合等を含みます。逆に、次に当てはまる法人は対象外です。
- 国または地方公共団体により設立された法人
- 資本金の全部または大部分が国または地方公共団体からの出資による法人
- 法令等に国または地方公共団体の具体的な監督権が定められた法人その他、国または地方公共団体が経営・労務等に大きく関与できる法人
対象になる男性従業員の条件
要綱第4条は、次のすべてを満たす男性労働者を対象としています。
- 雇用保険の被保険者として常時雇用されている男性労働者であること
- 育児休業を取得したこと。かつ、その育児休業を令和6年4月1日以降に取得開始したこと
- 育児休業開始日の2か月以上前の日から雇用され、市内の事業所に勤務していること
- 育児休業取得後、原則としてその事業所に復帰した日から2か月以上、従前と同様に勤務していること
申請対象とすることができる男性従業員は、1名だけです。該当者が社内に複数人いても、全員分を合算することはできません(Q&A A11)。合算できるのは、同じ1名が令和6年4月1日以降に育児休業を分割して取得した場合の日数だけです。
判断が分かれやすいところ
Q&Aが具体的に答えている論点を、そのまま並べます。
- 非正規雇用でも対象になります。短時間労働者などでも、雇用保険の被保険者であれば申請対象です(A6)
- 従業員の居住地は問いません。市外に住んでいても対象です(A8)
- テレワーク・派遣・出向で実際の勤務地が市外にあっても、在籍する事業所が市内にあれば基本的に対象です(A9)
- 役員は原則として対象外です。会社法に規定する取締役、監査役、執行役等は労働基準法第9条の労働者にあたらず、育児・介護休業法が適用されないためです。ただしQ&Aは「育児休業を取得した役員が、雇用保険の被保険者であれば申請対象になりえます」とも書いています(A7)。判断が分かれる場合は、申請前に市へご確認ください
- 工場・営業所・支店の単位では申請できません。法人、本社単位の申請になります(A3)
- 代表者が同一でも法人格が別であれば、それぞれの法人格で申請できます。ただし個人事業者が複数の屋号を使って事業を営む場合は同一事業者とみなされ、申請は1回(1名分)限りです(A5)
- 過去に男性の育児休業取得実績がある会社でも対象になります。令和6年4月1日以降の条件を満たす従業員が1人以上いればよく、「初めての取得」である必要はありません(A4)
いくらもらえるかHow much
補助率はありません。取得日数とコースの組み合わせで、10万円か20万円かが決まる定額です。コースを分けているのは、国の「出生時両立支援コース助成金」を過去に受けたことがあるかどうかです。
| コース | 申請できる事業者 | 育児休業の取得期間 | 支給額 |
|---|---|---|---|
| スタートアップコース | 申請日より前に国の出生時両立支援コース助成金の支給決定を受けていない事業者 | 連続7日以上・合計28日未満 | 10万円 |
| 合計28日以上 | 20万円 | ||
| ステップアップコース | 申請日より前に国の出生時両立支援コース助成金の支給を受けたことがある事業者 | 合計28日以上 | 20万円 |
どのコースでも、連続7日以上(勤務を要する日を5日以上含む)の取得期間を含むことが共通の要件です。単に日数を足して28日に届けばよい、というわけではありません。
3つの例で見ます。
- 国の助成金を受けたことがない会社で、従業員が連続10日の育児休業を取得した ―― 合計28日未満なので、スタートアップコースの10万円です
- 同じ会社で、従業員が2回に分けて計30日(1回目21日、2回目9日)取得した ―― 合計28日以上で、連続7日以上の期間も含むので20万円になります
- 国の出生時両立支援コース助成金を過去に受けている会社で、従業員が合計20日取得した ―― ステップアップコースは合計28日以上が要件です。スタートアップコースは「国の助成金を受けたことがない事業者」向けなので使えません。この組み合わせに当たるコースはなく、支給されません
国や県の制度と重ねられます
国の「出生時両立支援コース助成金」との併給は可能です(Q&A A23)。国の助成金を受けたことがない事業者が、同一の対象労働者について仙台市の奨励金と国の助成金(第1種・1人目)を併給する場合は、市の側はスタートアップコースの申請になります。
市のページは宮城県の男性育休取得奨励金事業にも触れており、「令和7年4月1日以降、28日以上の育児休業を取得する対象労働者がいる事業者は、宮城県の男性育休取得奨励金事業についても併用申請可能な場合がございます」と案内しています。当サイトは今回、県の制度の要件までは確認していません。県のページをあわせてご覧ください。
何が要るかDocuments
提出は郵送または持参です。この制度にオンライン申請はありません。
両コース共通
- 仙台市男性育休取得奨励金支給申請書(様式第1号)
- 対象労働者が雇用保険被保険者であることを確認できる書類(例:雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)の写し)
- 対象労働者の子の出生の事実および親子関係を確認できる書類(例:母子(親子)健康手帳の出生届済証明のページの写し)
- 育児休業申出に対して事業主が当該労働者に育児休業の取扱を通知した書類等の写し
- 対象労働者の出勤簿等の写し(育児休業取得日の直前2か月間、育児休業期間中、復帰後2か月間)
- 対象労働者の賃金台帳の写し(同じく3つの期間)
- 対象労働者が勤務を要する日を確認できる書類(例:労働条件通知書の写し、シフト勤務の場合はシフト表)
- 育児休業取得状況等報告書(様式第1号別紙)
ステップアップコースのみ
- 国の「出生時両立支援コース助成金」支給決定通知書の写し
育児休業中に一時的に就労した場合のみ
- 育児休業取得期間中の就労日が確認できる書類(例:育児休業中の就業日等の同意書)
先に手を付けておくとよいのは、出勤簿と賃金台帳です。必要なのは3つの期間分――育児休業に入る直前の2か月、育児休業の期間中、そして復帰後の2か月。復帰後2か月がそろわないと申請そのものができないため、書類の準備は復帰から2か月経ってようやく完成します。逆に言えば、それまでの間に他の書類を用意しておけます。
市税については、市が申請者の同意に基づいて納税状況を調査します。そのため納税証明書の添付は原則不要ですが、申請日前30日以内に交付を受けた「市税の滞納がないことの証明書」を提出する方法も要綱第6条で認められています。
申請前に要件を確かめたい場合、市は要件確認フォームを用意しています。質問に答えていくと、要件を満たしているかを事前に確認できます。
いつまでか、どういう順番で進むかSchedule
日付が2種類あり、短いほうが実際の期限になります。
| 何の期間か | いつまで |
|---|---|
| 申請書類の受付期間 | 令和8年4月1日(水曜日)〜令和9年3月31日(水曜日)。予算上限に達した場合は早期終了 |
| 申請可能期間 | 対象労働者が育児休業から職場復帰後2か月経過した日の翌日(起算日)から3か月以内、または令和9年3月31日のいずれか早い日まで |
この2段構えが、この制度でいちばん読み違えやすいところです。3月31日まで受け付けているからといって、3月31日まで申請できるとは限りません。
復帰した日が令和9年2月1日以降になると、申請できません。復帰後2か月経過した日の翌日が令和9年4月1日以降になり、受付期間の外に出てしまうためです。仙台市のQ&A A22は、この場合について「申請いただくことができません」と明記し、あわせて「令和9年度以降も奨励金を継続するかは未定です」と書いています。
Q&Aの目次にも「対象労働者が令和9年1月以降に育児休業から復帰する場合は、申請可能期間が短くなるためご注意ください」との注記が置かれています。
申請後の流れは要綱第10条以下のとおりです。市は原則1か月以内に書類を審査し、支給の可否と額を確定します。支給決定を受けた事業者が請求を行い、市が一括で支給します。
なお、この奨励金は事業完了後の申請になるため、実績報告は支給申請をもって代えるものとされています(要綱第11条)。申請とは別に実績報告書を出す必要はありません。
気をつけることWatch out
- 年度内に1事業者1回限りです。10万円で申請し支給決定を受けたあと、同じ従業員の取得日数が合計28日以上になっても、20万円で申請し直すことはできません。ただし10万円の支給決定前に申請を取り下げた場合に限り、改めて20万円の支給申請ができます(Q&A A20)。分割取得の見込みがあるなら、急いで申請しないという選択もあります
- 育児休業の開始が令和6年3月31日以前だと対象外です。Q&A A15は、令和6年3月25日から令和7年4月30日まで連続して取得した場合を挙げ、支給対象にならないと答えています。期間の大半が令和6年4月1日以降であっても、開始日で判定されます
- 会社独自の育児目的休暇、年次有給休暇、特別休暇は、取得期間に合算できません(Q&A A13)。配偶者出産休暇のような制度も同じです。数えられるのは育児・介護休業法に定める育児休業(出生時育児休業を含む)だけです
- 育児休業中に一時的に就業した日は、取得期間に含みません(Q&A A14)。労使協定に基づく就労であっても同様です
- 取得期間の数え方には休日・祝日が入ります。休業期間中の所定労働日と、それに引き続く休日・祝日等を含めて算定します(Q&A A13)
- 多胎児でも1回とみなされます。それぞれの子について申請することはできません。多胎児の育児休業を申請対象とする場合は、子の名前を連名にし、出生の事実および親子関係を確認できる書類をすべての子について添付します(Q&A A12)
- 予算上限に達した時点で終わります。市のページは冒頭のお知らせで「予算の上限に達し次第、年度途中で受付終了となる場合がございます」と告知しています。2026年8月25日に確認した時点で、早期終了の告知は出ていません
- 後払いです。育児休業を取り、復帰し、2か月勤務してから申請します。制度の性質上、先にお金が要る場面はありません
- 受給すると市のホームページに掲載されます。企業名、業種、常時雇用労働者数、育児休業取得期間、および報告書に書いた感想等が、受給事業者への事前確認のうえで掲載されます。対象労働者の氏名等の個人情報は掲載されません(Q&A A24)
- 使途に制限はありません。補助金ではなく奨励金という性質のためです。ただし市は、代替要員の確保など育児休業取得に伴う業務負担の軽減に役立ててほしい、と付言しています(Q&A A25)
- 提出書類・帳簿等の証拠書類は、支給を受けた年度の翌年度から5年間保存する義務があります(要綱第14条)
- 2026年8月25日に確認した仙台市公式ページおよび公表資料では、採択率や審査の加点項目についての記載を確認できませんでした。要件を満たすかどうかの審査であり、事業計画の優劣を競う型ではありませんが、当サイトでは支給されるかどうかについて何の見通しも示しません
資料のあいだで書きぶりが違う箇所Discrepancy
スタートアップコースを一度受けた事業者が、その後ステップアップコースを申請できるかどうか。ここが、市のページと支給要綱で読み味が違います。どちらが正しいかは市が判断することなので、両方を並べます。
市のページは、スタートアップコースの申請要件の欄に「なお、今までに仙台市男性育休取得奨励金の支給決定を受けたことがある場合は申請できません」と書いています。
一方支給要綱は、第3条第1項第8号で「別表に定める奨励金のコースのうち、同一コースの奨励金の支給を申請日以前に受けていないこと」と定め、続く第9号で「ステップアップコースの奨励金の支給を受けようとする対象事業者は、同一年度内にスタートアップコースの奨励金の支給を受けたことがないこと」と定めています。
要綱の条文だけを読むと、年度をまたげばスタートアップコースを受けた事業者もステップアップコースを申請しうる、と読めます。ただしステップアップコースは「国の出生時両立支援コース助成金の支給を受けたことがある事業者」向けなので、国の助成金を先に受けるという別の条件が要ります。当サイトの側では、どちらの読みが正しいかを断定しません。該当しそうな場合は、申請前に仙台市こども若者政策課へご確認ください。
申請についてApplying
行政書士法上、他人の依頼を受けて報酬を得て官公署に提出する書類を作成する業務は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、行政書士の業務に当たり得ます。当サイトは制度の情報をまとめたもので、申請書類の作成代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。
提出先は、郵送の場合が「980-8671(住所の記入は不要) 仙台市こども若者局こども若者企画部こども若者政策課企画係 行」(封筒に「男性育休取得奨励金申請書在中」と記載)、持参の場合が仙台市青葉区上杉1丁目5番12号 仙台市役所上杉分庁舎9階です。持参の受付時間は平日の午前9時から午後5時まで。
制度に関する問い合わせは、基本的に電子メールで受け付けています(dansei-ikukyu@city.sendai.jp)。原則1〜3営業日以内に事務局から返信があります。問い合わせ内容のほか、法人名、担当者の所属・氏名・メールアドレス・電話番号を書き添えるよう案内されています。電話は022-214-8687です。
https://www.city.sendai.jp/kodomo-somu/kurashi/kenkotofukushi/kosodate/ryoritsushien/danseiikukyu.html
出典2:仙台市「仙台市男性育休取得奨励金支給要綱」(令和6年7月9日こども若者局長決裁/令和8年6月1日改正/PDF)
https://www.city.sendai.jp/kodomo-somu/kurashi/kenkotofukushi/kosodate/ryoritsushien/documents/sendai_danseiikukyu_youkou_r8.pdf
出典3:仙台市「仙台市男性育休取得奨励金QA」(PDF)
https://www.city.sendai.jp/kodomo-somu/kurashi/kenkotofukushi/kosodate/ryoritsushien/documents/sendai_danseiikukyu_qa_r8.pdf
出典4:仙台市「仙台市男性育休取得奨励金申請要項」(PDF)
https://www.city.sendai.jp/kodomo-somu/kurashi/kenkotofukushi/kosodate/ryoritsushien/documents/sendai_danseiikukyu_shinseiyoukou_r8.pdf
確認日:2026-08-25
※本記事は公募要領をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の公募要領をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。