仙台市 企業立地促進助成金
仙台市内に工場やオフィス、研究所などを新設、増設、市内移転する事業者向けの助成金です。募集期間の定めはありませんが、契約を結ぶ日の前日までに事前協議書を出さないと対象になりません。令和8年4月1日に制度が大きく変わり、雇用加算が廃止されました。
- 誰が使えるか
- 仙台市内に事業所を新設・増設・市内移転する事業者。対象は10業種。設備更新の枠のみ市内の中小企業者で製造業を営む方に限る
- いくら
- 建物取得型は土地・建物の固定資産税課税標準額×5〜32%、償却資産×4〜7%を1回限り/建物賃借型は月額賃借料の3〜36か月分/設備更新は課税標準額×1.4%・上限1,000万円
- いつまで
- 公募期間の定めなし(随時)。締切 契約締結日の前日まで(事前協議書の提出期限)
- 実施機関
- 仙台市 経済局 産業集積推進課
誰が使えるかWho
仙台市内に事業所を置く事業者のうち、次の10区分のいずれかに当たる事業所を、新しく設ける(新設)、広げる(増設)、市内で移す(市内移転)場合が対象です。
- 製造業(工場)
- ソフトウェア業・デジタルコンテンツ業
- 研究開発施設
- 本店・本社機能(移転型・拡充型)
- BPO・バックオフィス
- 特定物流業
- 半導体関連業
- 3Gev高輝度放射光施設(ナノテラス)関連業
- 次世代エネルギー関連業
- データセンター
市外から進出する企業だけの制度ではありません。すでに仙台市内で操業している事業者の増設や市内移転も対象です。また、これとは別に「設備更新」という枠があり、こちらは市内の中小企業者で製造業を営む方に限られます。
業種の線引きは日本標準産業分類で決まる
たとえばソフトウェア業・デジタルコンテンツ業の枠は、情報通信業のうち中分類39「情報サービス業」と中分類40「インターネット附随サービス業」、および中分類38「放送業」(小分類381を除く)、中分類41「映像・音声・文字情報制作業」、小分類726「デザイン業」、中分類73「広告業」、細分類7462「商業写真業」のうちデジタル技術を用いて製品の製造またはサービスの提供を行う事業所、と定められています。デザイン業や広告業も入る一方で、デジタル技術を用いていることが条件です。自社がどの区分に当たるかは、業種ごとのページで確認してください。
【要確認】市のページに書かれていない緩和が、PDFにだけ載っている
製造業(工場)の建物取得型・建物賃借型には「特定投資額1億円以上」という要件があります。ところが市の助成金概要PDFには、続けて「(市内中小企業者の場合は1,000万円以上)」と書かれています。同じ内容を説明している市のウェブページ本文には、この括弧書きがありません。
1億円と1,000万円では、対象になる事業者の幅がまるで違います。ウェブページだけを読んだ市内の中小製造業者は、自社を対象外だと判断してしまいます。当サイトはPDF側に緩和の記載があることを確認していますが、どちらが最新かは市に確かめていません。市内の中小製造業者で投資額が1億円に届かない方は、あきらめる前に産業集積推進課へ問い合わせることをおすすめします。
いくらもらえるかHow much
助成のかたちは3つに分かれます。
建物取得型(建物を取得して事業を行う)
新規投資に係る土地・建物について固定資産税課税標準額の5〜32%、償却資産について4〜7%を、1回限り交付します。割合の幅は業種によります。実際に確認した2業種は次のとおりです。
- 製造業:土地・建物は基本額5%+地域加算5%+特別加算2%。償却資産は4%。限度額は新設10億円、増設・市内移転3億円。交付要件は特定投資額1億円以上(市内中小企業者は1,000万円以上)
- ソフトウェア業・デジタルコンテンツ業:土地・建物は基本額5%+特別加算2%。償却資産は4%。限度額は新設1億円、増設・市内移転3,000万円。交付要件は特定投資額1,000万円以上
市の概要ページは全体として「5%〜32%」「4%〜7%」と書いています。32%や7%に達する業種は、当サイトでは特定できていません。半導体関連業、ナノテラス関連業、データセンターなど、開いていない業種のページに載っている可能性があります。
計算例(市の助成金概要PDFに掲載されている試算):製造業で、固定資産税課税標準額が土地1億円・建物2億円・償却資産1億円、地域加算が適用される場合。土地・建物は(1億円+2億円)×(5%+5%)=3,000万円、償却資産は1億円×4%=400万円で、合計3,400万円。
建物賃借型(建物を賃借して事業を行う)
月額賃借料の3か月分から36か月分を交付します。こちらも業種によって月数が違います。
- 製造業:基本額3か月分+地域加算3か月分。年あたりの限度額は新設3,000万円(地域加算適用でさらに3,000万円)、増設・市内移転1,500万円(同1,500万円)。交付要件は特定投資額1億円以上(市内中小企業者は1,000万円以上)と、その事業所に市内在住の正社員が1人以上いること
- ソフトウェア業・デジタルコンテンツ業:基本額12か月分+地域加算6か月分+特別加算6か月分。年あたりの限度額は新設2,000万円(地域加算適用でさらに1,000万円)、増設・市内移転1,000万円(同500万円)。特別加算の場合は上記に1.2倍。交付要件は特定投資額1,000万円以上と、市内在住の正社員が3人以上いること
ここでいう「特定投資額」は、建物の1か月分賃借料(共益費と消費税額を除く)に60を掛けた額に、固定資産課税台帳に登録された償却資産の課税標準額を足した額です。月額賃借料が20万円なら、それだけで1,200万円と計算されます。賃借型の1,000万円という要件は、見た目ほど高い壁ではありません。
計算例:ソフトウェア業で市内在住の正社員が3人以上おり、月額賃借料が100万円、地域加算と特別加算がいずれも適用される場合。100万円×(12か月分+6か月分+6か月分)=2,400万円。これは市の助成金概要PDFに載っている試算で、実際には各年の平均月額賃借料をもとに算定されます。
市内移転の場合は、新旧の家賃の差額が助成の対象です。移転後の家賃の全額ではありません。また、サービスオフィスに入る場合、ソフトウェア業・デジタルコンテンツ業の助成月数は3か月分となり、地域加算・特別加算の対象外になります。1平方メートルあたりの単価にも上限があり、通常オフィスは8,000円、サービスオフィスは31,000円です。これらの条件は市のウェブページ本文にはなく、助成金概要PDFにだけ書かれています。
設備更新(市内中小企業者の製造業に限る)
新規投資に係る設備の固定資産税課税標準額の1.4%を1回限り交付します。限度額は1,000万円、交付要件は更新する設備の固定資産税課税標準額が1,000万円以上であることです。
計算例:課税標準額2,000万円の設備に入れ替えた場合、2,000万円×1.4%=28万円。金額は大きくありませんが、市内の中小製造業者にとっては、この枠がいちばん現実的な入口です。
加算が付く場所と条件
製造業の地域加算が適用される場所は、蒲生北部地区、泉パークタウン(明通3丁目・明通4丁目・七北田字大沢鳥谷ヶ沢および泉パークタウンサイエンスパーク地区計画の区域)、泉インターシティ、松原工業団地、東部の工業専用地域・準工業地域、岩切山崎今市東地区の6か所です。ソフトウェア業・デジタルコンテンツ業の地域加算は都心部(都市再生緊急整備地域)が対象で、特別加算にはせんだい都心再構築プロジェクトを活用したビルへの入居、クリエイティブ産業であること、再生可能エネルギーの利活用の3つがあります。再生可能エネルギーの特別加算は、年間の電気使用量が原則15万kWh以上で、100kW以上の自家消費型太陽光発電設備を導入することなどが条件です。
何が要るかDocuments
手続きは5段階です。
- 事前協議書の提出(契約締結日の前日まで)
- 助成金交付指定申請書類の提出(操業開始日、または設備の使用開始日の30日前まで)
- 操業開始届の提出(操業開始後)
- 助成金交付申請書類の提出
- 請求書の提出、助成金の受け取り
2の交付指定申請で必要な書類は次のとおりです。
- 事業計画書
- 商業登記簿謄本または履歴事項全部証明書
- 会社概要書
- 直近3箇年分の決算報告書
- 施設等の売買契約書もしくは工事請負契約書の写し(賃借型は賃貸借契約書の写し)
- 建築確認申請書、確認済証、検査済証の写しなど(建物取得型)
4の交付申請では、事業報告書、最新の決算報告書、納税関係書類などが要ります。賃借型ではこれに正社員名簿が加わり、提出期限は1年目の期間終了後2か月以内です。
直近3期分の決算報告書と、登記事項証明書の取得には日数がかかります。建物取得型では建築確認関係の書類も要りますので、契約の話が具体化した段階で、書類の手配と事前協議を並行して進めるのが安全です。
気をつけることWatch out
- 契約を結んだ後では、もう間に合いません。事前協議書の期限は、建物取得型なら土地の売買契約日または建物の売買契約日・建設工事請負契約日のいずれか遅い日の前日、賃借型なら賃貸借契約日の前日、設備更新なら設備の売買契約日・工事請負契約日の前日です。この制度に募集の締切はありませんが、事業者ごとに「契約の前日」という締切があると考えてください。
- 操業を続ける義務が付きます。期間は建物取得型が操業開始日から10年間、建物賃借型が4年間から8年間(地域加算・特別加算でそれぞれ2年延長)、設備更新が設備の使用開始日から5年間です。この間、毎年、操業継続報告書を出す必要があります。
- 事業を縮小・休止・廃止すると、返還を求められることがあります。市の資料は、申請時点から事業所の床面積または月額賃借料が2分の1以下になった場合を「縮小」、4分の1以下になった場合を「廃止」と定義しています。縮小に当たると義務期間が2年から4年延長され、休止・廃止に当たる場合や報告書を期限内に出さなかった場合には、交付した助成金の全額または一部の返還を求められます。
- 償却資産には免税点があります。助成金交付申請年度において、固定資産税課税標準額が1点あたり100万円以上のものに限られます。小口の機器を数多く入れても、1点ずつが100万円未満なら対象になりません。
- 令和7年度以前の情報は当てになりません。令和8年4月1日に雇用加算が廃止されています。かわりに賃借料への助成が拡充され、交付期間は1年間から4年間に短縮されました。「仙台市の企業立地助成金は雇用人数で加算がつく」と書かれた解説は、現在の制度を説明していません。
- お金が入るのは後です。操業を始め、実績を報告し、交付決定を受けてから請求します。設備や賃料の支払いは先に自社で行う必要があります。加えて市は「予算措置状況により、助成金交付決定時期は変動します」と明記しています。
- 建物取得型は交付が1回限りである一方、賃借型は複数年にわたって交付されます。ソフトウェア業・デジタルコンテンツ業では、助成月数が12か月分以上18か月分以内なら2年間、24か月分なら3年間の交付で、各年に月数を按分します。建物に対する助成月数を2分の1にすることで操業継続義務期間も2分の1に短縮できる仕組みもありますが、これは交付指定申請のときに申し出た場合に限られます。後から言っても通りません。
あわせて確認したい制度Related
仙台市には、広域から年間10万人以上の集客を見込める施設を対象とした「広域集客型産業立地促進助成金」もあります。こちらは投下固定資産相当額3億円以上が条件で、操業開始後3箇年分(復興特区加算で最大5年)の固定資産税等相当額が交付されます。所管は文化観光局交流企画課(022-214-1261)で、企業立地促進助成金とは窓口が異なります。
申請についてApplying
申請書類の作成代行は、行政書士の業務です。当サイトは制度の情報をまとめたもので、代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。
この制度の窓口は、仙台市経済局産業集積推進課です。ものづくり産業係(022-214-8245)と都市型産業係(022-214-8276)に分かれています。市は助成金の試算フォームも用意しています。
https://www.city.sendai.jp/toshigata/jigyosha/kezai/kigyo/gaiyo/josei.html
仙台市「製造業(工場)」(ページID 85029/更新日 2026年1月27日)および助成金概要(製造業)PDF
https://www.city.sendai.jp/toshigata/jigyosha/kezai/kigyo/gaiyo/r8/seizo.html
https://www.city.sendai.jp/toshigata/jigyosha/kezai/kigyo/gaiyo/r8/documents/r8-seizo.pdf
仙台市「ソフトウェア業・デジタルコンテンツ業」(ページID 84874/更新日 2026年1月27日)および助成金概要PDF
https://www.city.sendai.jp/toshigata/jigyosha/kezai/kigyo/gaiyo/r8/software.html
https://www.city.sendai.jp/toshigata/jigyosha/kezai/kigyo/gaiyo/r8/documents/r8-software-digitalcontent.pdf
仙台市「広域集客型産業立地促進助成金」(ページID 70052/更新日 2026年6月12日)
https://www.city.sendai.jp/shomu/kouikisyukyaku/kouikisyukyaku.html
確認日:2026-09-01
※本記事は上記の公開資料をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず仙台市の公式資料をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。半導体関連業、ナノテラス関連業、データセンターなど、当サイトが本記事で個別に確認していない業種の助成率・月数・限度額については、各業種のページをご覧ください。