仙台市生産性向上・賃金引上げ応援金
国の業務改善助成金を受け取った仙台市内の事業者に、市が対象経費の10分の1(同一年度内で上限60万円)を上乗せする制度です。申請は2027年3月31日まで。ただし予算上限に達した時点で受付が終わります。
- 誰が使えるか
- 2025年4月1日以降に国の業務改善助成金の支給決定を受けた仙台市内の中小企業者等・個人事業者。業種の限定なし
- いくら
- 業務改善助成金の補助対象経費の10分の1/一事業者あたり同一年度内で上限60万円(1円未満切捨て)
- いつまで
- 2027年3月31日まで。予算上限に達し次第、受付終了
- 実施機関
- 仙台市(経済局 中小企業支援課 経営支援係)
誰が使えるかWho
交付要綱第3条は、次のすべてに当てはまる者を対象としています。
- 2025年(令和7年)4月1日以降に、業務改善助成金の支給決定を受けていること
- 中小企業者等または個人事業者であること
- 法人市民税・事業所税の申告(義務がある場合)を行い、かつ市税を滞納していないこと。個人事業者は、個人の市税に加えて事業主として納付すべき市税も滞納していないこと
- 暴力団等と関係を有していないこと
- 他の地方公共団体から、業務改善助成金の同一の支給決定に関連した同様の補助金等を受けていないこと。また、同一の設備または補助対象経費について、市の他制度による補助金等と重複して交付を受けていないこと
ここでいう中小企業者等とは、業務改善助成金の交付要綱第2条に該当する事業者のうち、会社であれば登記上の本店の所在地が、会社以外の法人であれば登記上の主たる事務所の所在地が仙台市内にあるものです。個人事業者は、仙台市の住民基本台帳に記録されている者か、市内に施設を所有または賃借してその施設で事業を行っている者です。市外に住んでいても、市内に店舗や事務所を借りて事業をしていれば対象になります。
業種の限定はありません。製造業でも飲食業でもサービス業でも、業務改善助成金の支給決定を受けていれば申請できます。ただし、市独自の追加的な規模基準がないという意味であり、対象者には前提となる業務改善助成金の交付要綱第2条の中小企業事業者要件が適用されます。主たる業種に応じて資本金または常時使用する労働者数の基準があり、みなし大企業や課税所得年平均15億円超等は対象外です。具体的な基準は、最新の国の交付要綱をご確認ください。
前提となる業務改善助成金とは
この応援金は、単独では使えません。国(厚生労働省)の業務改善助成金を先に受け取っていることが出発点です。
業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を50円以上引き上げ、あわせて生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。厚生労働省の案内によれば、令和8年度は次のようになっています。
- 対象は中小企業・小規模事業者(みなし大企業を除く)で、事業場内最低賃金が令和8年度の地域別最低賃金未満であること
- 助成率は、事業場内最低賃金が1,050円未満なら5分の4、1,050円以上なら4分の3
- 助成上限額は、引上げ額のコース(50円・70円・90円)と引き上げる労働者数によって30万円から600万円まで
- 申請は工場や事務所などの事業所ごと。同一事業所の申請は年度内1回まで
- 交付申請の受付開始は2026年9月1日
- 申請期限は、申請事業所の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日か、2026年11月30日の、いずれか早い日
- 交付決定前に設備を導入した場合は助成の対象にならない
宮城県の事業者にとって、この「申請期限」は短くなる見込みです。宮城地方最低賃金審議会は2026年8月5日、令和8年度宮城県最低賃金を時間額1,098円(60円引上げ)に改正することが適当である旨を答申しました。宮城労働局の報道発表には発効予定日として10月1日が記されています。この予定どおりであれば、宮城県の事業所の申請期限は9月30日ということになり、9月1日の受付開始から1か月しかありません。ただし2026年8月22日の時点で、これはまだ答申の段階です。宮城労働局の報道発表も「今後は、この答申に対する異議申出に関する諸手続きを経て、宮城県最低賃金が決定されることとなります」と書いています。確定した発効日は、宮城労働局の公表でご確認ください。
また、賃金引上げそのものも発効日の前日までに完了している必要があります。厚生労働省の案内には、10月1日に新しい地域別最低賃金が発効する場合、発効日の当日に引き上げたのでは対象外になる、という例が載っています。
いくらもらえるかHow much
交付要綱第7条は、応援金の額を補助対象経費の10分の1と定めています。1円未満の端数は切り捨てです。そのうえで、一事業者あたり同一年度内において60万円が上限です。
ここでいう補助対象経費は、業務改善助成金の助成対象経費です。市のページは「業務改善助成金の交付額確定時に助成対象と認められた経費が対象です」と補足しています。申請時に見込んでいた額ではなく、国の側で最終的に認められた額が基準になる点に注意してください。
計算例
厚生労働省の案内にある例を借りて、そこに応援金を重ねてみます。
- 事業場内最低賃金が1,040円の事業場 → 業務改善助成金の助成率は5分の4
- 8人の労働者の賃金を1,130円まで引き上げた(90円コース) → 助成上限額は450万円
- 設備投資などの額は600万円
この場合、600万円×5分の4=480万円と、上限額450万円を比べて安いほうが採られるため、業務改善助成金は450万円が支給されます。
応援金は、助成額450万円の10分の1ではなく、補助対象経費600万円の10分の1を計算します。600万円÷10=60万円で、これは上限の60万円ちょうどです。したがって応援金は60万円になります。
逆に、対象経費が200万円だった場合は、その10分の1の20万円が応援金の額です。対象経費が600万円に達したところで上限に届き、それを超えても応援金は増えません。
何に使えるかEligible costs
交付要綱第6条は、補助対象経費を「国補助金交付要綱に掲げる助成対象経費」と定めています。つまり、この応援金の側で独自の経費区分を持っているわけではなく、業務改善助成金で認められたものがそのまま対象になります。
厚生労働省の案内が挙げる経費区分と例は次のとおりです。
- 機器・設備の導入(POSレジシステムの導入による在庫管理の短縮、リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮など)
- 経営コンサルティング(国家資格者による、顧客回転率の向上を目的とした業務フロー見直しなど)
- その他(顧客管理情報のシステム化など)
令和8年度からの変更点として、厚生労働省は助成対象経費の特例となっていた自動車(特殊用途自動車を除く)が助成対象外になったことを明記しています。パソコン・スマートフォン・タブレット等の端末と周辺機器の新規導入は、原則として対象外で、物価高騰等要件に該当する特例事業者に限って対象になります(この場合、就業規則等に事業場内最低賃金が1,100円である旨を定める必要があります)。
何が要るかDocuments
仙台市の公式ページに記載された交付申請時の提出書類です。交付要綱第8条第1項に基づく申請・実績報告関係書類と、公式ページが同時提出を求める交付請求書・口座資料を分けて示します。
- 交付申請兼実績報告書(様式第1号)
- 業務改善助成金の交付額確定及び支給決定通知書(国補助金交付要綱様式第11号)の写し
- 業務改善助成金の事業実績報告書(同様式第9号)、国庫補助金精算書(同別紙1)、事業実施結果報告(同別紙2)の写し
- 照会同意書(様式第2号)
- 回答同意書(様式第3号)
- 履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書の写し(申請日以前3か月以内に取得したもの)
- 委任状(代理人に委任する場合のみ)
請求関係書類(申請時に同時提出)
- 交付請求書(様式第7号)。申請時点では、指令番号・交付決定額・請求額の記入欄を空欄にします
- 預金通帳の写し、またはインターネットバンキングの口座情報ページの写し
個人事業者の場合は、上の6を本人確認書類の写し(運転免許証の両面、個人番号カードの表面、住民基本台帳カードの表面、在留カードまたは特別永住者証明書の両面のいずれか。個人番号の記載のないもの)に置き換えます。さらに、住民登録地が仙台市以外の場合は、市内に施設を所有または借り受けて事業を行っていることを示す書類(店舗の賃貸借契約書等)の写しが加わります。
準備に時間がかかるのは、6の登記事項証明書です。「申請日以前3か月以内に取得したもの」という制限があるため、早く取りすぎても使えません。法務局で取得する必要があり、当日中に手元に入るとは限りません。2と3は業務改善助成金の手続で受け取る・作成する書類なので、国の手続が終わっていないと揃いません。
提出は、必要書類を揃えたうえでメールです。宛先は kei008040@city.sendai.jp と市のページに記されています。2026年5月25日の受付再開にあわせて申請方法が見直され、申請書類は原則として電子データでの提出をお願いする形になりました。仙台市公式ページでは、交付請求書(様式第7号)と口座資料も交付申請時に提出する書類として掲げています。交付請求書の指令番号・交付決定額・請求額の記入欄は、申請時点では空欄で提出します。交付決定後の再提出や追完の有無は、公式ページ・要綱だけでは一律に断定できないため、仙台市へ確認してください。
気をつけることWatch out
- 後払いです。設備の代金は、事業者が先に支払います。国の業務改善助成金の交付額が確定し、支給決定通知を受け取ってから、市に申請する流れです。市は申請が到達してから30日以内に交付を決定し(交付要綱第9条)、その後、交付請求書を出して支払を受けます。手元の資金がいったん出ていく前提で考える必要があります。
- 締切より予算のほうが先に来ることがあります。市のページも要綱も、申請期間を2027年3月31日までとしつつ「予算上限に達し次第、受け付けを終了します」と書いています。この制度は過去に受付を停止し、2026年5月25日から再開した経緯があります。
- 同じ設備で市の他の補助金と二重には受け取れません。交付要綱第3条第5号が、同一の設備または補助対象経費について市の他制度による補助金等と重複して交付を受けていないことを要件にしています。仙台市には賃上げドライブ補助金(設備投資促進補助金)もありますが、そちらの交付要綱も同一の補助対象経費に国・地方公共団体の補助金を受けている者を対象から外しています。どちらの側から見ても、同じ設備で両方は取れない建て付けです。どちらを使うかは、設備を買う前に決めておくほうが安全です。
- 他の市町村の同種の上乗せ制度とも併用できません。同じく第3条第5号が、他の地方公共団体から業務改善助成金の同一の支給決定に関連した同様の補助金等を受けていないことを求めています。
- 上限60万円は「同一年度内」の合計です。要綱第7条第2項は、交付額の合計を一事業者あたり同一年度内において60万円を上限としています。次年度の利用可否は、新しい要綱や制度の延長が公表されるまで確認できません。現行要綱は2027年3月31日限りで効力を失うと定めているため、「年度をまたげば改めて使える」とは判断しないでください。
- 取得価格30万円以上の機械・器具等には処分の制限がかかります。交付要綱第14条により、これらを処分しようとするときは、あらかじめ市長の承認を受ける必要があります。
- 書類は5年保存です。交付要綱第16条は、交付申請に係る証拠書類を整備し、応援金の交付を受けた年度の翌年度から5年間保存することを求めています。
- 申請の取下げには期限があります。交付要綱第10条により、取下げは交付決定の通知があった日から10日を経過した日までです。
- 要綱そのものに期限があります。交付要綱の附則(令和8年3月3日改正)は「この要綱は、令和9年3月31日限り、その効力を失う」と定めています。2027年度以降も同じ制度が続くかどうかは、この文書からは分かりません。
- 入口は国の制度です。この応援金だけを見て動くと間に合いません。業務改善助成金は交付決定前に設備を導入すると対象外になり、賃金の引上げも地域別最低賃金の発効日の前日までに完了している必要があります。宮城県の令和8年度の発効予定日は10月1日(2026年8月5日答申時点)ですので、9月1日の受付開始からの時間はごく短い見込みです。
申請についてApplying
報酬を得て他人の依頼を受け、官公署に提出する書類を作成する業務は、他法令に別段の定めがある場合等を除き、行政書士業務に当たり得ます。当サイトは申請書類の作成代行を行っておらず、個別の申請は実施機関またはその手続を取り扱う専門家へご確認ください。
応援金についてのお問い合わせ先は、仙台市経済局中小企業支援課 経営支援係(〒980-0803 仙台市青葉区国分町三丁目6番1号 仙台パークビル9階/電話 022-214-8772/メール kei008040@city.sendai.jp)です。前提となる業務改善助成金の交付申請書等の提出先は管轄の都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)で、制度についての問い合わせ窓口として厚生労働省は業務改善助成金コールセンター(0120-366-440/平日9時〜17時)を案内しています。宮城県の最低賃金については宮城労働局労働基準部賃金室(022-299-8841)が窓口です。
https://www.city.sendai.jp/kikakushien/seisanseikoujou_chinginhikiage.html
出典2:仙台市「仙台市生産性向上・賃金引上げ応援金事業交付要綱」(令和8年3月3日経済局長決裁/PDF)
https://www.city.sendai.jp/kikakushien/documents/r8youkou.pdf
出典3:仙台市「仙台市生産性向上・賃金引上げ応援金チラシ」(PDF)
https://www.city.sendai.jp/kikakushien/documents/chirashi.pdf
出典4:厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」(R8.4/PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001693416.pdf
出典5:宮城労働局「令和8年度宮城県最低賃金の改正答申について」(2026年8月5日/PDF)
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/content/contents/002764301.pdf
出典6:厚生労働省「中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)交付要綱」(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001693388.pdf
確認日:2026-08-22
※本記事は公募要領・交付要綱をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の公募要領をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。宮城県の令和8年度最低賃金の発効日は、本記事の確認日の時点では答申段階であり、確定していません。