省エネ・非化石転換補助金(令和7年度補正)3次公募
工場や店舗の空調、LED照明、ボイラ、冷凍冷蔵設備などを省エネ型に入れ替える事業者向けの国の補助金です。3次公募の締切は2026年9月28日17時必着。設備を1台ずつ入れ替える「設備単位型」なら、補助対象経費30万円から使えます。
- 誰が使えるか
- 国内の工場・事業場で対象設備を省エネ型に更新する事業者。地域の限定なし。中小企業者・個人事業主のほか、従業員300人以下の医療法人・社会福祉法人・NPO法人等も中小企業者等に含まれる
- いくら
- 設備単位型(従来枠)は上限1億円・下限30万円/補助率3分の1以内。電化・脱炭素燃転型は上限3億円/2分の1以内。工場・事業場型は上限15億円・下限100万円/中小企業者等は先進枠3分の2以内、一般枠・中小企業投資促進枠2分の1以内
- いつまで
- 3次公募 2026年8月20日〜。締切 2026年9月28日(月曜日)17時必着
- 実施機関
- 経済産業省 資源エネルギー庁(執行団体:一般社団法人環境共創イニシアチブ/SII)
誰が使えるかWho
国内の工場や事業場で、エネルギーを使う設備を省エネ型に入れ替える事業者が対象です。地域の限定はありません。東北6県の事業者も同じ条件で申請できます。業種の限定もなく、製造業に限られません。飲食店、小売店、宿泊施設、病院、福祉施設なども、対象設備を持っていれば申請できます。
公募要領は事業者を「中小企業者等」「大企業」「その他」の3つに分けています。この線引きが補助率と申請可否に効きます。
- 中小企業者等……中小企業基本法第2条に規定する中小企業者(みなし大企業を除く)、個人事業主、中小企業団体等、および会社法上の会社以外の法人(医療法人、社会福祉法人、NPO法人など)で従業員300人以下のもの
- 大企業……会社法上の会社であって、中小企業者にもみなし大企業にも当たらない法人
- その他……みなし大企業に該当する法人、または会社法上の会社以外の法人で従業員300人超のもの
医療法人や社会福祉法人が「中小企業者等」に入る点は、見落としやすいところです。従業員300人以下であれば、病院や介護施設も中小企業者等として扱われます。
大企業については、申請できる場面が絞られています。省エネ法の事業者クラス分け評価制度で「Sクラス」または「Aクラス」に該当する事業者、あるいは中長期計画書のベンチマーク指標の見込みが2030年度の目標値を達成する事業者に限られます。
いくらもらえるかHow much
この補助金は「工場・事業場型」と「設備単位型」という2つの申請ルートに分かれており、その中がさらに枠に分かれています。事業の規模と、入れ替える設備の種類で選ぶルートが変わります。
設備単位型(Ⅲ型)――設備を1台ずつ入れ替える場合
SIIがあらかじめ公表した「指定設備」に入れ替える事業です。多くの中小事業者にとって、いちばん現実的な入口はここです。
- 従来枠……補助率3分の1以内、上限1億円(事業全体)、下限30万円
- メーカー強化枠……従来枠の要件に加え、GX要件を満たしたメーカーの指定設備へ更新する場合。補助率3分の1以内、上限3億円、下限30万円
- トップ性能枠(更新)……SIIの第三者委員会が定めた「トップ性能基準」を満たす設備に更新する場合。補助率2分の1以内、上限3億円、下限30万円
- トップ性能枠(新設)……補助率5分の1以内、上限3億円、下限30万円
従来枠とメーカー強化枠の補助率は、中小企業者等でも大企業でも3分の1以内で同じです。企業規模で率が変わるわけではありません。
計算例:制御機能付きLED照明器具に入れ替え、補助対象経費(設備費)が300万円だった場合。従来枠なら300万円×3分の1=100万円が補助されます。
電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)――燃料を切り替える場合
化石燃料から電気への転換や、より低炭素な燃料への転換を伴う設備更新です。対象は産業ヒートポンプ、業務用ヒートポンプ給湯器、高性能ボイラ、高効率コージェネレーション、低炭素工業炉の5区分。
補助率2分の1以内(中小企業者等・大企業とも同じ)、上限3億円、下限30万円。電化する事業の場合は上限が5億円に上がります。設備の改造は2分の1以内、水素燃料を活用できる設備の新設は5分の1以内です。
工場・事業場型(Ⅰ型)――事業場全体で省エネを図る場合
生産ラインの更新など、事業場全体で省エネを図る事業です。補助対象経費に設計費と工事費が入る点が、設備単位型との大きな違いです。
- 先進枠……中小企業者等3分の2以内、大企業・その他2分の1以内。省エネ率+非化石割合増加率30%以上などが要件
- 一般枠……中小企業者等2分の1以内(投資回収年数7年未満の事業は3分の1以内)、大企業・その他3分の1以内(同7年未満は4分の1以内)。省エネ率+非化石割合増加率10%以上などが要件
- 中小企業投資促進枠……中小企業者等2分の1以内(投資回収年数5年未満の事業は3分の1以内)。大企業・その他は対象外。省エネ率+非化石割合増加率7%以上などと、要件が一般枠より緩い
- サプライチェーン連携枠……サプライチェーン上の4者以上が共同で立案した設備更新計画を支援。中小企業者等2分の1以内、大企業・その他3分の1以内
補助金限度額は、単年度事業で上限15億円(非化石転換の場合20億円)、下限100万円。複数年度事業と連携事業では上限が上がります。
エネルギー需要最適化型(Ⅳ型)
SIIに採択されたエネマネ事業者と、登録されたEMS(エネルギーマネジメントシステム)を用いる事業です。補助率は中小企業者等2分の1以内、大企業・その他3分の1以内。上限1億円、下限30万円。省エネ効果は原油換算量ベースで2%改善が目安とされています。
何に使えるかEligible costs
ルートによって、対象になる経費の範囲が大きく違います。ここを取り違えると、見込んでいた金額が半分以下になります。
- 設備単位型(Ⅲ型)……設備費のみ。設計費、運搬費、既存設備の撤去費・廃棄費、据付費・工事費、配線や配管などの材料費、消費税はいずれも対象外です
- 電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)……設備費と工事費。付帯設備も対象。ただし工事費が対象になるのは中小企業者等に限られます
- 工場・事業場型(Ⅰ型)……設計費、設備費、工事費
対象設備は、SIIが公表している一覧に載っている型番であることが条件です。設備単位型の指定設備は15区分あります。ユーティリティ設備が、高効率空調(業務・産業用エアコン等)、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、高性能ボイラ、高効率コージェネレーション、低炭素工業炉、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、制御機能付きLED照明器具の10区分。生産設備が、工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシンの5区分です。このほか「その他SIIが認めた高性能な設備」も対象になります。
省エネの効果にも要件があります。設備単位型では、①省エネ率10%以上、②省エネ量1kl以上、③経費当たり省エネ量1kl/千万円以上、のいずれかを満たすことが必要です。
対象にならない事業も明記されています。事業活動に使っていない設備の更新、専ら居住を目的とした事業所や居住エリアでの設備更新・新設、売電を目的とする発電設備の新設などです。
何が要るかDocuments
交付申請書類は、SIIの「補助事業ポータル」というWeb上のシステムで作成します。利用にはアカウント登録が必要で、登録から約1日後にログイン用のメールが届きます。締切間際に登録すると、この1日が効いてきます。
設備単位型で全ての申請に共通して必要な主な書類です。
- 交付申請書(かがみ、2枚目)、補助事業に要する経費・補助対象経費・補助金の配分額、四半期別発生予定額(いずれも補助事業ポータルから出力)
- 役員名簿
- 実施計画書(申請総括表、事業者情報、資金調達計画、事業実施に関連する事項)
- 省エネルギー計算総括表、エネルギー使用量計算書
- 決算書(直近1年分の単独決算の貸借対照表。表紙も提出)
- 商業登記簿謄本(個人事業主の場合は確定申告書)
- 補助対象設備を導入する建物の登記簿謄本
- 会社情報(法人概要申告書)
- 中小企業者であることの宣誓書(該当する場合)
- 3者以上の見積書
準備に日数がかかるのは、登記簿謄本2種類(会社と建物)と決算書、そして3者見積です。とくに「補助対象設備を導入する建物の登記簿謄本」は忘れられやすい書類です。賃借している建物の場合、所有者に確認しなければ取得できないことがあります。設備設置承諾書が必要になる場合もあります。
このほか、経営力向上計画の認定書、省エネ診断報告書の写し、パートナーシップ構築宣言の写し、経営革新計画の承認書などは、審査の評価項目にあたる添付資料として提出できます。持っている事業者は出しておくほうが有利です。
気をつけることWatch out
- 工期が2か月しかありません。3次公募の交付決定は2026年11月下旬の予定で、補助事業は原則2027年1月31日までに完了させる必要があります。ここでいう完了とは、設備の設置だけでなく、検収と補助対象経費の支払いが終わることを指します。年末年始をまたぐ2か月で、発注から支払いまでを終える段取りが組めるかを、申請前に設備業者と詰めておくべきです。単年度で難しい場合は、複数年度事業として申請する道があります
- 契約・発注は交付決定日より後でなければなりません。交付決定前の契約・発注に係る経費、事前調査費などは全て補助対象外です。ただし3者以上の見積依頼・競争入札については、1次公募の公募要領が公開された2026年3月25日以降の発行日であれば、交付決定前に行ったものも有効です
- 原則3者以上の相見積が必要です。特定のメーカーや機種を指定して見積を取ることは認められますが、異なる販売事業者3者に依頼する必要があります。見積依頼先に同一資本関係の法人が含まれる場合は、資本関係のない法人2者以上から取ってください。補助対象経費は、原則として競争の結果の最低価格が上限になります
- 審査があり、申請すれば通るものではありません。事業区分ごとに評価項目に従って審査され、外部審査委員会の評価を踏まえて上位者から予算の範囲内で採択されます。必要に応じて個別ヒアリングが行われます。当サイトは採択率を把握していません。採択を保証するものではありません
- 後払いです。補助金の支払いは2027年1月末から3月末の予定です。設備の代金は先に自社で支払う必要があります
- 申請書類は郵送です。配送状況が確認できる手段で送る必要があり、持参は認められていません。9月28日17時必着ですので、郵送に要する日数を見込んでください
- 他の補助金との重複はできません。補助対象経費が重複する他の補助金等との併用はできません。ただし地方公共団体の一般財源による補助金等との併用は認められています。税制については、中小企業経営強化税制との併用は可能と公募要領に明記されています
- 既存設備は原則として事業完了日までに撤去します。一定期間の並行稼働が必要なやむを得ない事情がある場合は、事前にSIIに相談したうえで交付申請時に理由を示す必要があります
あわせて使える無料の診断Related
経済産業省は、この補助金と並べて「省エネ診断事業」を案内しています。省エネの専門家が店舗・飲食店・工場・ビル等のエネルギーの使用状況を調べ、改善項目を提案する事業です。一般財団法人省エネルギーセンターが行う「省エネ最適化診断」と、省エネお助け隊・登録診断機関による「ウォークスルー診断」「IT診断」「伴走支援」があります。
何から手をつければよいか分からない段階なら、補助金の申請より先にこちらを使う手があります。診断報告書の表紙の写しは、省エネ・非化石転換補助金の添付資料として評価項目にも挙がっています。ただし当サイトは、診断の費用負担の有無や申込方法を確認していません。詳細は各実施機関のサイトでご確認ください。
申請についてApplying
申請書類の作成代行は、行政書士の業務です。当サイトは制度の情報をまとめたもので、代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。
問い合わせ先は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)で、事業区分ごとに窓口が分かれています。受付時間は10時から12時、13時から17時(土日祝日を除く)。工場・事業場型の先進枠と電化・脱炭素燃転型が03-5565-3840、工場・事業場型の一般枠/中小企業投資促進枠/サプライチェーン連携枠が03-5565-4463、設備単位型がナビダイヤル0570-01-5116(IP電話からは042-303-0855)、エネルギー需要最適化型が03-5565-4773です。東北地域の窓口としては、東北経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー対策課(022-221-4932)が案内を出しています。
https://sii.or.jp/setsubi07r/uploads/r7h_st_01_kouboyouryou_3.pdf
一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)公募要領<3次公募用>」(2026年8月)
https://sii.or.jp/koujou07r/uploads/r7h_kj_01_kouboyouryou_3.pdf
SII「公募情報(3次公募)(設備単位型)」(令和8年8月20日更新)
https://sii.or.jp/setsubi07r/overview3.html
SII「公募情報(3次公募)(工場・事業場型)」(令和8年8月20日更新)
https://sii.or.jp/koujou07r/overview3.html
省エネ・非化石転換補助金 2026年版特設サイト
https://syouenehojyokin.sii.or.jp/information.html
東北経済産業局「令和7年度補正予算 省エネ・非化石転換補助金・省エネ診断事業の公募を開始しました」(最終更新日 2026年9月1日)
https://www.tohoku.meti.go.jp/koho/koshin/kobo/2026/k260402001.html
確認日:2026-09-02
※本記事は公募要領をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の公募要領をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。なお当サイトは、指定設備一覧に載る個別の型番、先進設備・システムの一覧、複数年度事業の詳細、および省エネ診断事業の費用負担については確認しておりません。