多賀城市創業支援補助金
宮城県多賀城市で新しく店や事務所を構える人が、開業にかかった経費の5分の4(上限100万円)を受けられる制度です。締切は二段構えで、商工会への事前提出が2026年9月30日15時、市への提出が10月9日15時までです。
- 誰が使えるか
- 宮城県多賀城市内で新たに創業・第二創業する個人または中小企業者等。2025年4月1日以降にすでに創業した人も可。市外に住んでいても、事務所等が市内にあれば申請できる
- いくら
- 補助対象経費(税抜)の5分の4/上限100万円(千円未満切捨て)
- いつまで
- 多賀城・七ヶ浜商工会への事前提出 2026年9月30日(水曜日)15時/産業振興課への提出 2026年10月9日(金曜日)15時
- 実施機関
- 多賀城市(都市産業部 産業振興課 商工係)
誰が使えるかWho
募集要項は、次の5つをすべて満たす者を対象としています。
- これから2027年3月31日までに市内で新たに創業または第二創業をする個人・中小企業者等、あるいは2025年4月1日以降にすでに創業・第二創業をした個人・中小企業者等
- 2027年3月31日までに個人開業または会社等の設立を行い、市内に事務所等(事務所・店舗・作業所など)を設置する者
- 暴力団または暴力団員等に該当せず、それらと関係を有していない者
- 市区町村の市税等を滞納していない者
- 過去にこの補助金を受けていない者
これから開業する人だけでなく、昨年度(2025年4月1日以降)に開業を済ませた人も対象に入ります。「もう開業届を出してしまったから間に合わない」と思って見送るのは早い、という制度です。
住んでいる場所は問われません。Q&Aは「市外に住んでいても、市内に事務所等があれば申請可能」と答えています。逆に、市内に住民登録があっても事業所が市外にある場合は対象外です。判断の基準は、住所ではなく事務所等の所在地です。
法人の形にも制限があります。対象になるのは株式会社・合名会社・合資会社・合同会社で、一般社団法人とNPO法人は対象外です。これはQ&Aにだけ書かれていて、市のページや募集要項の本文には出てきません。地域活動を法人化して立ち上げようとしている方は、ここで結論が変わります。
「創業」に当たらないもの
この制度でいう「創業」の定義は、思ったより狭いところがあります。Q&Aで対象外とされているのは、次のような場合です。
- 法人成り(個人でやっていた事業を法人化する)
- 休業していた事業の再開
- 市内での単なる移転や増店(市内でラーメン店を営んでいる人が2号店を出す、など)
- すでにラーメン店を営んでいる人が、別のラーメン店を事業承継する場合
一方で、市外ですでに事業を営んでいる人が多賀城市内に移転する場合や、市外で1号店を出している人が市内に2号店を開く場合は、対象になります。市内ですでに事業を営んでいる人でも、既存事業と日本標準産業分類の小分類以上が異なる新しい事業を始めるなら対象です(この場合も新たに開業届または法人登記が必要)。
第二創業は、先代から事業を引き継いだ後継者が、業態転換または新事業活動を行う場合を指します。応募者は承継者(予定者を含む)です。個人事業なら先代の廃業手続きと承継者の開業手続き、会社なら代表権の変更が必要になります。
対象にならない事業
事業そのものにも要件があります。市内で実施すること、地域の活性化に資すること、第二創業を除いて他人の事業を承継したものでないこと。そして次のものは対象外です。
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律により許可を要する事業
- 政治活動や宗教活動を目的とする事業
- フランチャイズ契約またはこれに類する契約に基づく事業
フランチャイズの除外は、業種を問わず効きます。飲食やコンビニでの独立開業を考えている方は、契約の形を先に確かめてください。それ以外の業種による制限は設けられていません。
なお「地域の活性化に資する事業」の中身は、Q&Aで具体化されています。市内事業者からの仕入れ、市内に住む従業員の雇用、市内での製造、主な販売先が市内の消費者や事業者であること、市内空き店舗の利用などが想定されています。事業計画書を書くときの手がかりになります。
いくらもらえるかHow much
補助対象経費(税抜)の5分の4、上限100万円です。千円未満は切り捨てになります。チラシでは「対象経費の80%」と表記されていますが、同じことです。
募集要項に載っている計算例は、こうです。
- 増改築費 50万円(税込)
- 設備・備品費 50万円(税込)
- 広報費 21万円(税込)
- 合計 121万円 ÷ 1.1(消費税10%) = 110万円(補助対象経費)
- 110万円 × 5分の4 = 88万円(補助申請額)
消費税は対象経費に含まれません。税込で見積もった金額をそのまま出すと、実際の補助額は思ったより小さくなります。税抜125万円の対象経費で、上限100万円に届きます。それ以上使っても補助額は増えません。
募集要項は「概算ではなく、必ず必要経費で申請してください」とも書いています。多めに見積もっておいて後で減らす、という出し方は想定されていません。
何に使えるかEligible costs
対象経費は8つの区分に分かれています。チラシには7区分しか載っていませんが、募集要項と市のページには「その他(上記に区分されない経費)」が加わって8区分です。ただし「その他」は申請前に必ず産業振興課へ相談することとされています。
- 事務所等の増改築費 ―― 市内の事務所等の開設に伴う外装・内装工事費
- 事務所等の借入費 ―― 店舗・作業所・事業用駐車場の賃借料、仲介手数料
- 設備・備品費 ―― 一品の取得価格が税抜1万円以上で、長期の使用に耐えるもの。機械装置、工具、器具、事務用備品(机・イス・本棚)、キッチンカーなど業務に必要な車両の購入・改造費
- 広報費 ―― 広告宣伝費、パンフレット印刷費、展示会の出展料・配送料、ダイレクトメールの郵送実費、販路開拓のための出張旅費
- 開業事務手続費 ―― 開業・法人設立に伴い、司法書士・行政書士等に支払う申請資料作成経費
- 顧客開拓費 ―― 市場調査費、調査会社への委託費
- 専門家助言・指導費 ―― コンサルティングの謝金・業務委託料、事業に必要な資格取得の受講料
- その他 ―― 真に必要不可欠と認められるもの(事前相談が必要)
対象にならない経費
ここが、この制度でいちばん取り違えやすいところです。募集要項とQ&Aから、実際につまずきやすいものを挙げます。
- パソコン、タブレット、スマートフォン、カメラ、車両本体、事務用品 ―― 汎用性が高く、私的利用と区別できないものとして対象外。ただし補助事業にのみ使うことを客観的に証明でき、事業終了後の取り扱いが明らかな場合は、理由書を出したうえで対象になる可能性がある
- 中古品 ―― 原則として対象外。新品の通常販売価格が分かる書類と、複数の中古品販売事業者からの見積書があれば認められる場合がある。個人からの購入、オークション、フリーマーケットによる購入は認められない
- 敷金、礼金、保証金、管理費、共益費、火災保険料、地震保険料
- 申請者本人と2親等以内の血族・姻族が所有する不動産の賃借料。同一世帯で生計を一にする者が所有する物件も同じ
- 登録免許税、定款認証料、収入印紙代、印鑑証明などの証明類取得費用
- この補助金の申請書類の作成代行費用(開業・法人設立の書類作成費とは扱いが違う)
- 消耗品、不動産購入費、求人広告費、通信運搬費(電話代・切手代・インターネット利用料)、光熱水費
- プリペイドカード・商品券などの金券、ポイントサービスを利用して支払った経費
- 主として販売のための原材料・商品の仕入れとみなされるもの
- 団体の会費、フランチャイズ加盟料、飲食・接待の費用、各種保険料、振込手数料、支払利息
- 税務申告や決算書作成のために税理士・公認会計士に払う費用、訴訟のための弁護士費用
住宅兼事務所の場合は、事務所として使う専有部分の分だけが対象です。しかも間仕切り等で物理的に区分されていることが条件で、面積按分などの適切な方法で算出した根拠を出す必要があります。キッチンや台所は、住居部分での利用も考えられるとして対象外に挙げられています。
店舗の内装をDIYした場合は、壁紙・照明器具・木材などの材料費が増改築費として対象になります。テープやねじ・釘は改装に必要な分だけ。ドライバーやハンマーといった工具は対象外です。
支払方法にも条件があります。原則は現金払い(口座振込を含む)です。クレジットカード払いも可能ですが、個人事業なら代表者、法人なら法人名義または代表者名義のカードに限られ、利用明細と引き落としが確認できる書類(通帳のコピーなど)が要ります。引落日が2027年3月31日を過ぎるものは対象外です。年度末近くの買い物では、カードの締め日と引落日を先に確認してください。
何が要るかDocuments
全員が提出するものは、次の5つです。
- 交付申請書(様式第1号)
- 事業計画書(様式第2号) ―― 紙とExcelデータの両方で提出。手書き不可
- 多賀城・七ヶ浜商工会による確認書(様式第3号)
- 代表者の完納証明書(市区町村の市税等に滞納がないことの証明。法人はその分も)
- 申請者本人を確認できる書類の写し(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
すでに創業している人は、これに加えて次のいずれかが必要です。個人なら税務署に提出した開業届の写し、法人なら登記事項証明書と法人の完納証明書、個人の第二創業なら廃業届と開業届の両方の写し。創業後1年を経過していない場合は、創業後から申請前月までの売上高などが分かる書類も求められます。特定創業支援等事業の支援を受けた人は、その証明書の写しを添えます。
いちばん時間がかかるのは、商工会の確認書です。事業計画書を持参して多賀城・七ヶ浜商工会(多賀城事務所)へ行き、内容の確認とアドバイスを受けてから発行されます。募集要項もQ&Aもチラシも、そろって「即日発行はできません」「余裕をもって早めに」と書いています。内容の修正が入ることも前提です。9月30日15時という事前提出の期限から逆算すると、実際に商工会へ足を運ぶべきなのは9月の前半でしょう。完納証明書は多賀城市役所1階の税務課で発行できます。書類への押印は不要です。
気をつけることWatch out
- 後払いです。募集要項は「概算払いは行いません」と明記しています。事業を実施し、支払いを済ませ、実績報告を出して交付額が確定してから振り込まれます。開業資金は自分で用意しておく必要があります
- 予算の範囲内で交付されます。審査があり、不交付になることもあります。創業支援補助金審査会が、意義・独創性・実現可能性・地域性・資金計画などの観点から審査します。審査の内容に関する問い合わせには応じないとされています。当サイトは、採択されるかどうかについて何の見通しも示しません
- 申請年度内に発注し、支払いまで終える経費だけが対象です。補助対象期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで。申請年度より前に買ったものは対象になりません。例外は事務所等の借入費と設備リース費で、申請年度前の契約でも、この期間内に支払った分は対象になります
- 年度内に開業届の提出または法人設立登記が終わらなければ、補助金は支払われません。Q&Aは「申請年度内に開業届又は法人設立登記がなされることが本補助金の必須要件」と書いています。創業予定で申請し、期間中に創業できなかった場合、交付はありません
- 交付決定後に、増額を伴う変更はできません。交付決定額は上限を示すもので、支払額を約束するものではありません。逆に、交付決定額から20%以上の増減が生じる場合は、事前に変更届の提出が必要です
- 他の補助金との併用は可能ですが、同一経費への重複はできません。この制度で導入した設備に、別の補助制度を重ねて適用することはできません
- 交付の翌年度から5年間、毎年の状況報告義務があります。決算日から30日を経過するまでに、事業状況報告書(様式第12号)を提出します。商号・代表者名・住所・電話番号の変更、廃業した場合も速やかに報告が必要です
- 取得価格が1件10万円以上の財産は、事業終了後も一定期間、処分に市の承認が要ります。処分で収入があったときは、その一部の返還を求められることがあります
- 補助事業に係る帳簿と証拠書類は、事業が完了した年度の終了後5年間、保存する義務があります
- 採択された事業については、代表者名・法人名・事業概要などが市のホームページ等で公表されることがあります
審査で見られていること
募集要項の選考の項には、審査の着眼点として「その他」の欄があり、そこに多賀城みらい塾(創業セミナー・スクール)の受講の有無、認定創業支援等事業による証明書の発行の有無、多賀城・七ヶ浜商工会への加入の有無が挙げられています。市が、これらを見る項目として明示しているという事実だけをお伝えします。どれくらい点数に影響するかは公表されていません。
特定創業支援等事業とは、宮城県商工会連合会または多賀城・七ヶ浜商工会から、経営・財務・人材育成・販売の方法等について1か月以上かつ4回以上にわたって支援を受けることを指します。支援を受けたことの証明書は産業振興課が発行します。回数と期間の条件があるため、これから受けるつもりなら、逆算するとかなり早い時期に動く必要があります。
申請についてApplying
申請書類の作成代行は、行政書士の業務です。当サイトは制度の情報をまとめたもので、代行は行っておりません。個別の申請については、制度の実施機関または、その手続を取り扱う専門家へご相談ください。
制度そのものに関するお問い合わせ先は、多賀城市都市産業部 産業振興課 商工係(電話 022-368-4204/メール shoko@city.tagajo.miyagi.jp/多賀城市役所 北庁舎4階)です。事前提出先の多賀城・七ヶ浜商工会 多賀城事務所は、多賀城市伝上山3-1-12、電話 022-365-7830です。
https://www.city.tagajo.miyagi.jp/shoko/kurashi/shigoto/shokogyo/sogyoshien_hojo.html
出典2:多賀城市都市産業部産業振興課「令和8年度 多賀城市創業支援補助金 募集要項」(令和8年4月30日/PDF)
https://www.city.tagajo.miyagi.jp/shoko/kurashi/shigoto/shokogyo/documents/r8bosyuuyouko_2.pdf
出典3:多賀城市「多賀城市創業支援補助金 Q&A」(令和8年4月30日版/PDF)
https://www.city.tagajo.miyagi.jp/shoko/kurashi/shigoto/shokogyo/documents/r8qanda.pdf
出典4:多賀城市「【R8創業支援補助金チラシ】」(PDF)
https://www.city.tagajo.miyagi.jp/shoko/kurashi/shigoto/shokogyo/documents/r8chirasi.pdf
確認日:2026-08-21
※本記事は公募要領をもとに作成したものです。最新かつ正確な内容は必ず公式の公募要領をご確認ください。制度の内容は変更されることがあります。